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民主党は旧社会党だった  東郷 秀憲

平成21年6月5日

 今朝の産経新聞の「民主党解剖」というシリーズを読んで、民主党政権が誕生しては危ないとさらに危機感が高まった。
 以下引用【前略】
現在、民主党内で旧社会党系グループに属する議員は30人弱にとどまる。一方で、党職員には、平成8年の旧民主党結成時に旧社民党から大挙して移ったスタッフが今も多く残り、党の政策に影響を及ぼしている。現場をよく知る党関係者は、こう証言する。
 「旧社会党出身者が事務局の要職を押さえ、牛耳っている。党本部も国会の政策調査会も、『アジト』のにおいがする」
 また衆院議員、鷲尾英一郎は日本教育再生機構の座談会で、こう述べている。
 「われわれの知らないところで、分からないところから意見が出て、INDEXに載ってしまう。これは非常に怖いと思う」
 INDEXの1ページ目には、「戦後処理問題」の項目がある。ここで成立を目指すとされた「国立国会図書館法改正案」とは、国会図書館に「恒久平和調査局」を新設するというものだが、実は調査対象は主に戦時中の日本の加害行為だ。次の項目は「靖国問題・国立追悼施設の建立」で、「A級戦犯」が合祀される靖国神社への首相参拝を批判している。
【中略】
「政権交代したら、真っ先にこの法案が実現するんですよ」
 平成19年3月27日の朝日新聞夕刊で、民主党の元参院副議長、本岡昭次(16年に政界引退)がこう強調していたのが「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」だ。民主党はこの法律を過去10年間、ずっと提出し続けている。
 これは、元慰安婦だと名乗り出た外国人に対し、国家が謝罪と金銭の支給を行うというもの。だが、政府は平成5年の「河野談話」で、根拠があいまいなまま慰安婦募集における日本軍関与の強制性を認めたものの、慰安婦の強制連行など政府・軍の直接関与を示す資料はどこにもない。
 このほか、「人権救済」名目の下での恣意的な思想・言論の統制が懸念される「人権侵害救済機関の設置」や、家族制度の根幹にかかわる「選択的夫婦別姓の早期実現」…。INDEXには、左派・リベラル系の政策がずらりと並ぶ。ベテラン秘書は慨嘆する。
 「うちの党は(11年の)国旗・国歌法案に半数以上が反対したんだよ。1月の党大会でも日の丸は掲げられていなかった」
 鳩山は3日、党本部で中国の駐日大使、崔天凱と会談し、自身が首相に就任しても靖国には参拝しない考えを伝えた。これに対し、崔はこう応じたという。
 「民主党のこれまでの歴史認識は正しい。政権交代が実現したら、日中関係はさらに発展する」

 民主党が政権を取ったらかつての社会党が政権をとったようになってしまう。それも、社会党右派(村山内閣)ではなく左派政権だ。中国や北朝鮮は大歓迎するだろう。かといって官僚いいなりの麻生自民党にも期待できない。麻生内閣になった途端に公務員改革は骨抜きにされた。
 もはや民主党の右派に期待せざるをえないのか。民主党右派と自民党の官僚主権打破派とが一緒になり公務員改革を徹底的にやることが国民の利益、すなわち国益だ。

文筆:東郷秀憲(東郷秀憲の国益コラム