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F1レーサーの呆れるキャッチコピー  東郷 秀憲

平成21年5月26日

   私は普段テレビを殆んど観ないが、F1だけは欠かさずに観ている。フジテレビ(地上波放送)を視聴していて呆れるのが、F1レーサーのキャッチコピーである。例えば、昨年の王者であるマクラーレンのルイス・ハミルトンは「銀河帝国の絶対王者」、ブラウンGPのジェンソン・バトンを「HONDAイズムの後継者」と勝手に名付けている。
 ジェンソン・バトンは、確かに昨年12月にHONDAが撤退するまではHONDAのレーサーであった。だが、HONDAが彼との契約をしていたのにも関わらず突然撤退を決めたことにより、窮地に追い込まれた。少なくともHONDA撤退以後、HONDAに対しての好意的な発言を聞いたことがない。それは、そうだ。彼は、HONDAの後継チーム(ブラウンGP)と契約をかわせたが契約金は半減したのだから好意を持つはずがない。それなのに、フジテレビはHONDAイズムの後継者」と名付けているのだから呆れる。ルイス・ハミルトンの「銀河帝国の絶対王者」にいたっては、銀河帝国って何だ?ってルイスに質問したくなる。ルイスについては、今年からは、「史上最年少王者」と少しましなキャッチコピーに変更された。他のレーサーのキャッチフレーズも似たり寄ったりだ。
 そういえば、サッカー日本代表選手にも同じような発想でキャッチフレーズを付けていた。「和製ベッカム」とかあったように記憶している。和製英語を作った日本人と同じ発想。
 だからか日本人唯一のF1レーサーである中島は勝てない。チームメイトのロズベルグ(因みにキャッチコピーは、音速ディカプリオ)にも勝てない。
 国際感覚なき日本メディアの代表フジテレビよ、キャッチコピーをやめてくれ。日本人の一人として恥ずかしい。視聴者(日本人)を愚民化しないでくれ。
 そして、HONDAよ。何故去った。創業者の魂は何処に行った。ブラウンGPの成功に何を想う。

 

文筆:東郷秀憲(東郷秀憲の国益コラム