平成21年7月16日
今シーズンの阪神は勢いが無い。2,3年前までは優勝争いに加わっていたはずが、星野監督時代の優勝をピークに、年々弱くなっている。
地元大阪の人間としては寂しい限りだが、この事について、星野氏の前に阪神の監督だった野村氏が書いた本がある。
この本によると、阪神が弱くなったのは球団の個人主義体質が原因だそうだ。
野村氏が監督に就任した時、阪神の選手達は個人個人が好きなようにプレイをしていた。前の監督はサインも殆ど出さず、チームの連携は全く無かったという。
そこで野村監督は、選手に個人プレーではなくチームの勝利に繋がるプレイを心がけるよう指導し、敵選手のデータを研究・対処する戦略の重要性を教え、チームの意識改革に努めた。
しかし野村監督の気質では個性の強い阪神の選手達を押さえられず、成果は殆ど出なかった。そこで次の監督に野村は強面の星野氏を指名した。星野監督は野村氏の方針を引き継ぎ、選手の意識改革に成功、阪神を優勝に導いた。
だが、星野引退後は阪神OBが監督するようになり、再び個人主義スタイルに戻ったため、また阪神は弱くなってしまった、というのだ。なるほど、納得できる理由である。
これは、今の日本政府にも言えるのではないだろうか。
百年の一度の不景気の最中だというのに、野党は自分達の都合で政治を掻き回し、それで審議が遅れても知らん顔。与党も一枚岩ではなく、自分達の足場が悪くなると首相批判に回るなど、国政の大局を見ず、個人プレーにばかり走っている。
結果、国の政策は後手後手に回り、景気もなかなか回復せず、国際舞台での力は次第に弱くなる。(サミットでの影の薄さが良い例だろう)
まさに阪神の転落の状況と同じではないだろうか。
ならば今の日本に必要なのは、政治家が一丸となって国難に立ち向かう体制と、星野監督のような掌握力・行動力のある政治家がトップに立つことである。麻生総理はそのような政治家を期待されたが、結局抵抗勢力に潰される形になってしまった。
総選挙で政権交代となれば、次の総理は民主党から出るだろう。前党首の小沢ならまだしも、鳩山に政治を統括できるような器は無い。
日本球団の低迷は当分続きそうである。
文筆:沖田東一