平成21年4月3日
自衛隊駐屯地で失業者への職業訓練を行う案が、自民党内で出ているらしい。内容や発案者が少し気になるが、自衛隊で衣食住つきの職業訓練という考えは良いと思う。
私は10年ほど前に自衛隊へ体験入隊した経験がある。仕事のため短期間の入隊だったが、自衛隊の規律や厳格さを学ぶことができ、非常に有意義な経験となった。その後もいくつかの研修を受けたが、あの体験に勝るものは未だに無い。
自衛隊は組織行動が基本。誰か一人がミスを犯すと、隊全体の統率が乱れてしまう。だから規律や上下関係には非常に厳しく、少しのミスも許されない。そういう環境下での生活では、自然と責任感や礼儀が育ってくる。
そうした人材育成の意味では、自衛隊での職業訓練は既存の職業訓練校よりも有効である。実際、企業の新人研修で自衛隊へ体験入隊させる企業も多い。
記事には訓練内容について詳細は書かれていないが、職業訓練に来た一般人をお客さん扱いせず、厳しい姿勢で臨むようにお願いしたい。そうでなければ自衛隊で行う意味がない。
――――――――――――――――
自衛隊駐屯地で失業者向け職業訓練 自民内で構想浮上
全国の自衛隊駐屯地に失業者を集めて職業訓練する雇用対策案が、自民党内で浮上した。防衛・農林・建設分野の重鎮議員が発案、政府の追加経済対策への反映を狙う。
「民間国土保全隊」と名づけた構想で、不況で職を失った人やニートらが駐屯地に半年間住み、生活費を支給されながら職業訓練を受ける。「派遣切り」で表面化した失業者の住居問題に対応しつつ、土木工事用の大型機械などを扱う資格を身につけてもらうことで、耕作放棄地の活用や未整備の森林間伐などの担い手になることを期待している。
手本は、1930年代の大恐慌下にルーズベルト米大統領が設立した「民間資源保存団」。若者がキャンプで生活しながら植林などに従事したとされる失業対策事業だ。
構想を進める加藤紘一元幹事長や青木幹雄前参院議員会長、古賀誠選挙対策委員長らが週明けに発起人会を開き、追加経済対策に盛り込むように求める。
http://www.asahi.com/politics/update/0328/TKY200903280151.html
文筆:沖田東一