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争点に防災浮上、選挙カー自粛 統一地方選に大震災影響

 県議選や市長選などが県内でも予定される来月の統一地方選で、東日本大震災を受けた防災や危機管理のあり方が争点に急浮上している。車の利用を自粛する動きが広がるなど、選挙活動そのものも様変わりしている。
 「この時期、政治活動を前面に出すことにためらいがあるが、防災を中心に訴えていきたい」。県議選のある立候補予定者は、震災直後から朝夕の街頭演説を自粛し、事務所ののぼりを撤去した。過去に勤務していた自治体で危機管理を担当し、2004年にあった県内の高潮被害や95年の阪神大震災での支援経験もあり、今回の震災もひとごととは思えないという。
 市議選を控えた市でも立候補予定者らが震災を意識している。駐留する陸上自衛隊員が被災地に派遣された善通寺市では、市議選の立候補予定者が「被災地の現状を思うと選挙活動を今のまま続けていいのか」と悩ましさを感じつつも、「防災のあり方を見直す必要があると感じている。真っ先に市議会で議論しなければならない」と訴える。別の立候補予定者は「前回選挙は昼休憩を除き選挙カーでひたすら市内を回ったが、今回は午前と午後それぞれ3時間にするつもり」と出来る限り自粛する方針だ。
 高松市議会では18日、共産党を除く3会派と無所属の市議が、市議選(定数は11減の40)で選挙カーの使用を自粛すると決め、大西秀人市長には「節約できた経費を被災者支援に活用してほしい」と申し入れた。ある市議は「被災地ではガソリンが不足しているから」と話す。共産党会派は、選挙カーの使用方法については検討中だが、公費負担の受け取りを辞退するという。同会派の市議は「被災者や市民感情に配慮しながらも、選挙をやるからには政策や公約の中身を伝えていくことが大事」と話す。
 市選管によると、選挙カーにかかわる公費負担分は1候補者当たり上限約25万円という。市選管には「選挙カーの代わりに自転車を使ってもいいのか」といった質問が寄せられているという。
 坂出市議会でも一部の会派が選挙カーの使用について、告示日の翌日から5日間は午前10時から午後6時に制限し、名前の連呼をしないことなどを申し合わせた。
 さらに公明党県本部は県議選でも選挙カーの使用を見合わせることにした。県選管によると、公費で負担される選挙カーの燃料費は1人当たり上限6万6150円で、車の借り入れ費は上限13万7700円という。

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 統一地方選は前半戦の県議選が4月1日告示、同10日に投開票される。後半戦は市長、市議選が4月17日告示、町長、町議選が同19日に告示され、同24日にいずれも投開票される。

(平成23年3月24日 朝日)

 
 
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