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「反民主」公明票どこへ 自民、連携継続に期待
参院選の福井選挙区で民主、自民両党がしのぎを削る中、公明党票の行方が注目されている。昨年の政権交代により中央レベルでの協力関係は解消され、今回の参院選では「地域ごとの判断」とされているからだ。公明党県本部は「表立った協力はない」とする一方、「反民主」の立場を鮮明にしており、自民党側には「10年間の連立政権で培った関係」を踏まえた協力、連携を期待する声がある。
自民、公明両党が連立与党だった時期には選挙でも全国的な協力関係を構築してきたが、野党転落後、公明党は各党と等距離を保ち、党の独自性をアピールしてきた。
ただ、他県では自民党との間で協定を結んだり、「自主投票」でも事実上の支援をするなど、何らかの形で協力する例がみられる。
福井選挙区での対応に関して、公明党県本部の石橋壮一郎代表は「(投票先は)自分で判断してとしか言えない」とし、党員らに投票行動を“指示”することはないと説明する。一方で、政治とカネ、政策の裏付けとなる財源問題、国会運営の在り方をめぐり同党は「反民主」の訴えを強めており、西本恵一幹事長は「民主党に票が流れることはほとんどない」との見方だ。
本県では民主、自民両党候補が横一線の激戦を繰り広げており、基礎票が3〜4万とされる公明党の動向は勝敗の行方を左右する可能性もあり、自民党には協力を求める空気が強い。自民党県連の関係者は「具体的には言えないが公示後、公明党とは何回も話をしている」と打ち明ける。
しかし、昨年9月の報道機関のアンケートに対する自民党県連幹部の回答をめぐるしこりや、比例代表に自民党の地元候補が出ている点から、公明党側には連携に抵抗感を持つ党員もいるという。自民党側は「“連立野党”はあり得ないから、政策協定はないが、与党の暴走に歯止めをかけようという気持ちは一致している」と期待。他党の関係者は、水面下では選挙区と比例の「バーター協力」が県内でも行われるのでは―とも注視している。
(平成22年7月6日 福井新聞)
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