戻る
立候補438人 目立つタレント・くら替え
参院選の立候補者は400人の大台を超えた。民主党を中心にタレントなどの候補が相次いだほか、自民党では昨夏の衆院選落選組で参院への転身を狙う「くら替え組」が目立っている。立候補者の全体的な特徴を探った。
■“大台”回復
立候補者数は過去2回の選挙で300人台にとどまってきたが、今回は9年ぶりに400人台を回復した。大幅に増えた理由としては、自民の一部が離党して新党を結成するケースが相次いだうえに、民主が改選数2以上の複数区に複数候補を擁立する戦略を立てたためだ。
民主の立候補者は計106人。1党で100人以上を擁立したのは現行選挙制度下では初めてとなった。
■平均50・7歳
平均年齢は前回より1・5歳若返って50・7歳となった。最高齢は民主新人、清水信次氏(比例代表)の84歳で、唯一の大正生まれ候補となった。最年少は新党改革新人の中川幸司氏(埼玉選挙区)で30歳。
戦後生まれは392人で89・5%を占めた。世代別で最も多いのは50代で128人。40代(123人)と合わせると40〜50代の中高年層で57・3%を占めた。
■女性増加で100人
女性は計100人(選挙区55人、比例代表45人)で、全体の22・8%を占めた。前回よりも9人増え、平成13年参院選以来の100人の大台に乗った。
政党別では民主が8人増の27人で最多。共産18人、自民14人、みんな8人−などが続いた。
■タレント倍増
出身分野別では、地方議員が71人と最も多く、16・2%を占めた。政党職員(66人)や国会議員秘書(36人)も多い。
いわゆるタレントや有名人は、柔道女子金メダリストの谷亮子氏(民主)ら20人。スポーツ選手出身が目立ち、前回から倍増した。半数の10人を民主が占めている。
中央官僚は24人だが「政治主導」を看板とする民主から8人が立候補した。労働組合役員は14人で全員が民主。同党の労組依存型選挙の一端をうかがわせた。
■くら替えは19人
昨夏の衆院選落選組で参院への転身を狙う「くら替え組」は計19人(比例代表14人、選挙区5人)いる。党派別では、自民11人▽社民3人▽みんな3人▽新党改革1人▽たちあがれ日本1人。社民を除く16人が自民の元衆院議員だ。
自民の比例名簿には、佐藤ゆかり氏、片山さつき氏といった「小泉チルドレン」に加え、小坂憲次元文部科学相といった閣僚経験者も名を連ねた。
■世襲は34人
父母や血縁者が国会議員で地盤を継承した「世襲候補」は34人に上り、全体の7・8%を占めた。党派別では自民が17人で半数。民主6人▽みんな6人▽たちあがれ日本2人▽新党改革1人−などとなった。
島根選挙区では青木幹雄前自民党参院議員会長が引退し、長男の一彦氏(自民)が出馬した。対立候補の一人、桜内朋雄氏(みんな)も故桜内義雄元衆院議長のおいだ。
(平成22年6月25日 産経新聞)
|
|