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菅首相の記者会見要旨
菅直人首相の17日の民主党参院選マニフェスト(政権公約)発表記者会見での発言要旨は次の通り。
【冒頭発言】
昨年の衆院選で民主党が支持されたのは、20年にわたる閉塞状態を変えてほしいという国民のエネルギーだ。その気持ちを鳩山内閣からしっかり引き継ぐ。衆院選マニフェストはやれることはやってきたし、引き続き取り組むべき問題もある。修正が必要なものは率直に理由を述べて理解をいただく基本姿勢で臨む。
従来、経済と財政と社会保障はそれぞれ対立すると受け止められていた。その根本的な見方を変えなければ日本の再生はない。その好循環をどのようにつくるか。それが成長戦略を含めた政策体系であり、そのエキスがこのマニフェストだ。
【財政再建の必要性】
国民にとって税負担は重く、お願いせずに済むほうが望ましい。しかし日本の財政状況は債務残高が国内総生産(GDP)比で180%を超え、3、4年で200%を超えることが確実な状況だ。ギリシャの財政破綻から始まる欧州の動揺は決して対岸の火事ではない。しっかり財政再建に取り組まなければ、国際通貨基金(IMF)などの国際機関がはしの上げ下ろしまで財政運営をコントロールすることになりかねない。これまで消費税の議論をタブー視する傾向があったが、財政再建を実現する道筋に持っていくために思い切ってマニフェストに書いた。
【消費税率引き上げ】
2010年度内に、消費税のあるべき税率や逆進性対策を含む改革案の取りまとめを目指したい。併せて、超党派での幅広い合意を目指す努力をする。当面の税率については、自民党が提案している10%という数字を一つの参考にさせていただきたいと考える。幅広い合意を得ることができれば超党派で法案を提出し、成立を目指す。困難な場合は民主党が中心になって改革案をとりまとめていく。(実施前の衆院選については)大きな税制改正を行う場合、実施前に国民の信を問うことは本来あるべき姿だ。(実施時期は)どの政党と一緒に議論し合意形成が図れるかによって、早く進むことも時間がかかることもある。今の段階で「何年度からどうする」と言うのは難しい。
(平成22年6月17日 共同通信)
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