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「第三極」狙う渡辺、平沼氏=自・民対決に埋没懸念も
衆院選を目前に控え、自民、民主両党と一線を画し、「第三極」づくりを模索する動きが活発化してきた。渡辺喜美元行政改革担当相は5日、新党「みんなの党」を8日に旗揚げする方針を表明。平沼赳夫元経済産業相(無所属)もグループの勢力拡大に向けて支援候補のテコ入れに懸命だ。しかし、両氏の動きは、政権を懸けて争う自民、民主両党のはざまで埋没気味で、今後の展望が描けているわけではない。
「政治は国民のものだ。皆さんの力でわたしたちに命を吹き込んでください」。渡辺氏は5日午後、福島県喜多方市で開かれた新党の立候補予定者の集会に出席し、衆院選での協力を求めた。
渡辺氏によると、新党への参加予定者は十数人。無所属の江田憲司前衆院議員や、民主党を除名された浅尾慶一郎参院議員らも加わる見通しで、公職選挙法が定める「前・現国会議員5人以上」の政党要件はクリアできるとしている。
渡辺氏は同日、衆院選後の民主党との連携について、記者団に「『政権交代』では一致している。協力は可能だ」と含みを残した。ただ、追い風に乗る同党との違いをどう示すかに腐心しており、「自民党は官僚依存、民主党は組合依存、真の改革勢力はわれらだ」と強調した。
一方、平沼氏は4日夜、平沼グループから出馬予定の元職が都内で開いた決起集会に足を運び、「政治屋ではなく政治家集団として新しい流れを政界に打ち出していきたい」と訴えた。
同グループは7月下旬、平沼氏や前回の郵政選挙で自民党の「刺客」候補に敗れた元職など計15人の立候補予定者を発表。メンバーは選挙後の新党結成も視野に入れて奮戦しているが、「当選の可能性があるのは平沼氏以外では、元職の数人だけ」(関係者)との指摘もある。
渡辺、平沼両氏が目指すのは、衆院選で一定の勢力を確保し、「第三極」としてキャスチングボートを握り、政局を主導すること。しかし、民主党の優勢が伝えられる中、渡辺氏らへの関心はいまひとつ。民主党幹部は5日、渡辺新党について「どうでもいい」と語った。
(平成21年8月5日 時事ドットコム)
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