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隠れた衆院選の争点 社民、共産との共通点浮き彫り

 左派・リベラル色が濃厚な民主党政策集「INDEX2009」は、外交・安全保障などの政策面で現実路線をとりつつあるとされる民主党が、実はまだ旧社会党的発想の影響下にあることを浮き彫りにしている。本質的な違いの見えにくい自民、民主両党だが、こうした点にも衆院選の隠れた争点がありそうだ。

 「自民党も右から左までいるし、民主党もそうだ。ただ、決定的な違いはそれぞれが抱える左の体質だ。自民党の左は『なんとなくリベラル』だが、民主党は『本物の左翼』『職業左翼』を抱えている」

 教育問題などに詳しい高崎経済大の八木秀次教授はこう断じる。

 確かに「INDEX」には、自民党では初めから否定されるか、議論はあったが最終的に棚上げされた政策がずらりと並ぶ。そしてそれらは社民、共産両党などの政策と似通っている部分が多い。

 例えば、永住外国人への地方参政権付与について、結党時の「基本政策」だとして「早期実現の方針を引き続き維持する」とある。この問題は民主党執行部はほぼ全員が賛成だとされるが、自民党では反対派・消極派が大勢を占める。

 関連して「国籍選択制度の見直し」の項目をみると「重国籍を容認してほしいとの要望を踏まえ見直す」と記している。つまり、韓国など外国籍を有したまま日本国籍も取得し、参政権を行使できるようにするというわけだ。

 人権侵害救済機関の創設も盛り込まれている。内容は、「人権侵害の定義があいまい」「救済機関の権限が強大すぎる」として自民党の議論で承認されなかった法務省の人権擁護法案を「さらに過激にした」(百地章日大教授)ものだ。

 また、福田康夫前首相が官房長官時代に進めようとして頓挫した靖国神社に代わる「国立追悼施設の建立」も主張する。自民党では「家族制度の根幹にかかわる」として慎重論が根強い選択的夫婦別姓の「早期実現」もうたっている。

 さらに、教科書採択では「保護者や教員の意見が確実に反映されるよう、学校単位へと採択の範囲を段階的に移行する」としている。これは、傘下教員の意向で教科書を選定させるため、学校単位での採択制度を目指す日教組の方針とぴたりと重なる。

(平成21年7月24日 産経)

 
 
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