2009 衆院選特集 〜ひと目でわかる候補者選び〜  

    
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【静岡県知事選】川勝氏が当確 大型地方選で民主4連勝 自民党内に「麻生退陣論」広がる

 石川嘉延前知事の辞職に伴う静岡県知事選は5日投開票され、無所属新人で元静岡文化芸術大学長の川勝平太(かわかつへいた)氏(60)=民主、社民、国民新推薦=が、前自民党参院議員の坂本由紀子(さかもとゆきこ)氏(60)=自民、公明推薦=ら新人3人を破り初当選した。投票率は61.06%で前回を16.57ポイント上回った。今春の名古屋、さいたま、千葉の各政令市長選に続き、自民党推薦候補は大型地方選で4連敗となり、自民党内には麻生太郎首相の「退陣論」が広がりそうだ。一方、勝利した民主党は、次期衆院選に向けてさらにはずみをつけた。

 川勝氏は民主や連合の要請を受け、投票日1カ月前に立候補表明した。民主党の小沢一郎代表代行は分裂選挙を回避しようと元民主党参院議員の海野徹(うんのとおる)氏(60)との一本化を目指したが不調に終わった。だが、川勝氏はその影響も受けず、無党派層や自民支持層にも広く浸透した。

 坂本氏は「県民党」を掲げて「自民党色」を薄め、参院議員や同県副知事としての実績を前面に支持を訴えたが及ばなかった。


 共同通信によると、支持政党別で川勝氏は民主党支持層の75.8%を固めた上で、自民党支持層からも17.4%を取り込んだ。坂本氏には自民党支持層の68.4%、公明党支持層の89.1%が投票。民主党支持層からも8・5%が流れた。

 性別による支持は、川勝氏の男性44.4%、女性37.3%に対し、坂本氏は男性34.1%、女性43.3%。20代と70代以上で坂本氏が優位に立ったが、30代〜60代は川勝氏への支持が多かった。

 昨年9月の麻生太郎首相就任後、自民、民主両党が対決した7つの大型地方選で民主党は5勝目。自民党は2勝止まり。地域事情はあるが、民主党は今春からの4連勝で、衆院選を目前に勢いを印象付けた。

 1月の山形県知事選は、民主党の支援を受けた吉村美栄子氏が、自民党の大半が応援した現職を破り初当選した。だが、3月に西松建設の違法献金事件で民主党の小沢一郎前代表の公設第1秘書が逮捕されて風向きが変わり、千葉県知事選では森田健作氏、秋田県知事選で佐竹敬久氏と与党系候補が連勝した。


 4月の名古屋市長選は高い知名度を誇る民主党推薦の河村たかし氏が圧勝。5月に鳩山由紀夫氏が民主党代表に就任してからは、さいたま市長選で党県連支持の清水勇人氏が当選。6月の千葉市長選でも党推薦の熊谷俊人氏が全国最年少市長となっていた。

 今月12日には東京都議選の投票が行われる。ここでも民主党が勝利すれば、麻生首相はさらに厳しい局面に追い込まれそうだ。

 川勝氏は、比較経済史専門の経済学者。安倍内閣では教育再生会議の分科会主査や「美しい国づくり」企画会議の委員などを務め、有識者メンバーとして国政にかかわった。「新しい歴史教科書をつくる会」の賛同者にも名を連ねている。


 ▽静岡県知事選開票結果   

当728706川勝 平太 無新

 713654坂本由紀子 無新

 332952海野  徹 無新

  65669平野 定義 共新

         (開票終了)

(平成21年7月5日 産経)

 
 
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