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恥の文化 東郷 秀憲

平成25年6月1日

 慰安婦問題、国連委が勧告 「日本の政治家が事実否定」

 【ジュネーブ=前川浩之】国連の拷問禁止委員会は31日、旧日本軍の慰安婦問題で「日本の政治家や地方の高官が事実を否定し、被害者を傷つけている」とする勧告をまとめた。橋下徹大阪市長らの最近の発言を念頭に置いたものとみられる。日本政府に対し、こうした発言に明確に反論するよう求めている。
 拷問禁止委員会は、人間の非人道的な取り扱いを禁止する条約を守っているかどうかを調べる国際人権機関。慰安婦を条約上の被害者だとしている。10人の委員が数年に1回のペースで各国を審査する仕組みで、1999年に条約を締結した日本は、5月21、22の両日、6年ぶり2回目の審査を受けた。
 勧告は、慰安婦問題について「国会議員を含む政治家や地方政府高官によって、事実を否定する発言が続いている」と批判。日本政府がただちにとるべき対応として「当局者や公的人物による事実の否定や、それによって被害者を再び傷つける行為に反論すること」をあげた。
 名指しはしていないが、審査では、慰安婦問題を取り上げた委員4人のうち3人が「慰安婦制度は必要なのは誰だってわかる」「強制連行を示す証拠はない」などとした橋下氏の発言に触れ、日本政府の見解をただしていた。
 勧告対象は、代用監獄問題など多項目にわたった。慰安婦問題では、元慰安婦に対する公的な補償や救済措置がなく、関係者の訴追が行われていないことに懸念も表明。さらに、日本政府に対し、全ての歴史の教科書に慰安婦問題を含めるよう求めた。
 審査で日本政府代表は、93年の河野談話や償い金を支給したアジア女性基金の取り組みを説明したが、橋下氏の発言には一切触れなかった。
(平成25年6月1日 朝日新聞)
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東郷コメント:
 国連の勧告に対して「審査で日本政府代表は、93年の河野談話や償い金を支給したアジア女性基金の取り組みを説明したが、橋下氏の発言には一切触れなかった。」とあるが、本当にそれでいいのだろうか。この際、内閣総理大臣及び全閣僚が堂々と慰安婦の歴史的事実を発した方がいいのではないだろうか。小手先で逃げて騒ぎが治まるまでおとなしくしていようという安易な考えで失うのは日本人の誇りではないだろうか。
 かつての日本人は、「恥」をもっとも恐れた。武士は辱めを受けるならば名誉ある切腹を選択した。ABCD包囲網で経済制裁されて恫喝された際は、真珠湾に機動部隊を進めた。
 冷戦集結後の戦争は兵力を使ったものではない。情報戦である。日本国は、情報戦に最初から白旗をあげているように思えてならないのである。明らかな内政干渉である自国の国民の歴史教科書にまで口をだされている程、情報戦に負け続けている。
 もう政治家に任せてはおけない。政治に片足突っ込んだから分かるが政治家は世論の後押しがなければ何もできない。情報戦の武器は、国民の誰もが持っているし簡単に持てる。ブログ、SNS(facebook,Twitter,mixi・・)、e-mailや投書だ。地元の政治家やメディアに対して声を出して行こう。国民一人一人が声を出して敵国が仕掛けている情報戦に立ち向かっていかないと、東日本大震災の際に世界が感動した被災者のモラルある行動に象徴される日本人だけが先祖から受け継いでいる恥の文化は崩壊する。


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文筆:東郷秀憲(東郷秀憲の国益コラム