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アンケート調査のカラクリ 東郷 秀憲

平成24年10月7日

 フジTV番組「新報道2001」の終わりには、毎回各政党の支持率が紹介される。我々は、この種のマスコミが示す世論調査に騙されてはいけない。世論調査というより世論扇動と言ったほうが正しい。「新報道2001」のアンケートのデータは「首都圏の成人男女500人を対象に電話調査」となっている。1300万人が住む首都圏のたった500人のデータでしかない。維新の会などは関西で支持が高いのに、地域性を全く無視した集計方法を採っているのだ。これで結果を出されてはたまらない。
 電話調査の方法にも疑問な点が多い。マスコミの電話調査はコンピュータがランダムに電話番号を選ぶ「RDD方式」が採用されているそうだが、電話調査は、電話する時間や曜日で結果が大きく変わる。たとえば平日の昼に電話しても、主婦か高齢者しかいないだろう。また、RDD方式で選出されるのは固定電話の番号なので、携帯電話が主体の若年層は調査対象から外れてしまう。このほか、質問の順番やアンケートの集計方法でも、結果は変わってくる。これではマスコミが調査結果を自社の都合のよいように誘導することも十分に可能だ。事実、産経・読売・朝日の各新聞社の世論調査は、同じRDD方式を採用しているのに、調査結果は各新聞ともバラバラで、なぜか各新聞社の主張に沿った結果に仕上がっている。
 マスコミの世論調査など、この程度である。くれぐれも騙されないようにしてもらいたい。
 

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文筆:東郷秀憲(東郷秀憲の国益コラム