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数千万もの退職金とは 東郷 秀憲

平成24年8月24日


 公務員とは何か。公に奉仕することをあえて選択した奇特な人達である。しかし、国の借金を1000兆円まで増やし、失業率もあがり、自殺者が毎年3万人以上もいる中で消費税増税法案を押し通した張本人である勝栄次郎財務次官は今年8月で退職し、8000万もの退職金を受け取るそうだ。何たることだろうか。財務次官は財務省事務方のトップであり、予算編成などの権限を有している。会社に例えれば重役クラスに相当する。会社なら経営が赤字で倒産すれば役員が責任を負う。なのに、国家の借金が雪だるまのように膨らんでいるのに、その責任を彼は負わずに金だけ潤沢に受け取る。彼だけではない。旧大蔵省高級官僚や日銀総裁で「私は退職金を全て辞退する。我々の判断が誤り国家・国民に迷惑をかけたのだから。」と言った人物を私は知らない。退職後も十分な年金を受け取るのだから、その程度のことはできるのではないかと思うが。かつて戦後、主人が戦死した未亡人に対して国家が金銭的な支給をした際、辞退した女性は多かったという。その理由は「御国が大変な時にお金を受け取ることはできません」だったそうだ。勝には彼女たちの爪の垢でも飲んでもらいたい。
 ここで、提案したい。公務員の退職金については、一律とせずに独立した監査機関を設けて、本人が属したセクションがどのように公に貢献したかで支給率を算定すればどうだろう。勿論、国家の資金が潤っていれば、公務員の報酬も増額し、そうでなければ減額するということだ。公務員の給料は、原則的に民間よりも下げるべきだと思う。それで、初めて国民は公務員を尊敬するのではないか。即ち、優秀なのにあえて公に奉仕することを選んだ奇特な人だとなるのだ。
 また、彼等の特権階級意識に変革をもたらす上で民間の人間の起用を促進するべきである。以前にも書いたが、公務員の採用年齢を原則なしとすればどうだろうか。民間で評価された人が公務員のトップに天下るというのはいかがか。それで、チェック機能が働くのだ。公務員でトップになりたければ、一度は民間企業に就職して実社会の競争原理に揉まれないといけないとすればいいのだ。そして、また公務員になる。そうなれば無気力な公務員はいなくなるだろう。この際、公務員の終身雇用制度についても見直すべきだろう。但し、私の提案した給料水準を民間より下げるということならば終身雇用制度を維持してもよい。不適格者に対する処遇については別途定めればいい。


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文筆:東郷秀憲(東郷秀憲の国益コラム