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民主の選挙案に異議あり 沖田 東一

平成24年6月17日


比例40減、連用制を部分導入=小選挙区「0増5減」−新提案・与党18日法案提出

 与野党は14日、国会内で幹事長・書記局長会談を開き、民主党の輿石東氏が衆院選挙制度改革の新提案を行った。小選挙区の「0増5減」で1票の格差を是正するとともに、比例代表定数を40減らす。比例には小政党に有利とされる小選挙区比例代表連用制を部分導入する。民主、国民新両党は18日に関連法案を提出する方針だ。
 衆院定数削減について、民主党はマニフェスト(政権公約)で「比例80減」を掲げていたが、小選挙区と合わせて45に圧縮した。
 比例定数に関し、民主党は45減で最終調整していたが、比例削減に抵抗が強い中小政党への配慮から40減にとどめた。公明党が主張していた連用制の部分導入は、国会運営などで同党の協力を引き出すほか、自民、公明両党の連携にくさびを打つ狙いもあるとみられる。
 新提案では、衆院定数は小選挙区295、比例140の計435となる。比例は現行の11ブロック制を全国比例にし、105議席は現行の並立制、35議席は連用制で配分する。次期衆院選後に第9次選挙制度審議会を設置して本格的な制度改革論議を行うことも提起。定数をさらに35削減することも明記し、マニフェストの「80減」とつじつまを合わせた。
 幹事長会談で輿石氏の提案に賛同したのは国民新党だけだった。共産党などが反対し、自民、公明両党などは持ち帰った。18日に改めて幹事長会談を開くが、民主党は野党の意向にかかわらず、関連法案の提出に踏み切る意向。輿石氏は記者団に「(国会会期末の)21日までに成立するかしないかにかかわるので、18日に出す」と述べた。
(平成24年6月14日 時事通信)
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コメント:
 次の選挙で負けるのが確定している民主党は、選挙制度そのものを自党に有利に変えようとしている。
 今回民主党が導入しようとしている小選挙区比例代表連用制、通称連用制では、比例で配分される筈の議席から、小選挙区で獲得議席が差し引かれるため、小選挙区で勝てない政党に優先的に議席がいくことになる。小選挙区で勝てない政党とはつまり、今の民主党だ。自分たちが小選挙区で勝てないから、何とか比例区だけでも確保しようと必死になっている。そのほか、公明党や社民党なども、この制度で恩恵を被ることになるだろう(公明党は後日の記事で民主案に賛意を示している)。小選挙区で敗北する(国民の支持が得られていない)ような政党が、比例で当選したから政党として存在しているというのは、はたして正しい姿だろうか。このような制度変更は選挙の私物化であり、決して許してはならない。
 私の意見では、比例も小選挙区もやめて中選挙区制に一本化が良いと思っている。政治の停滞の多くは、比例制度で社民党などの泡沫政党が一定の議席数を確保し、発言権を有していることにある。中選挙区制に戻せば、社民党などの泡まつ政党は一発でけし飛ぶ。

文筆:沖田東一