平成23年8月4日
日立、三菱重工が統合へ
日立製作所と三菱重工業が包括的な経営統合に向け、協議を始めることで基本合意したことが4日、分かった。2013年春をめどに新会社を設立し、原子力、火力などの発電プラントや産業機械、鉄道システム、IT(情報通信)制御技術など、社会インフラを支える根幹事業を網羅した形で統合を進める見込み。
両社の11年3月期の売上高は単純合算で12兆円を超え、統合が実現すれば、国内製造業ではトヨタ自動車に次ぐ規模となる。世界的にも社会インフラ事業で圧倒的な強さを誇ってきた米ゼネラルエレクトリック(GE)、独シーメンスなど欧米の重電大手をしのぐ最大級の“インフラ企業”として、需要が拡大する新興国を中心に、インフラの受注拡大を目指す。
日立と三菱重工は00年に製鉄機械部門を統合し、「三菱日立製鉄機械」を設立。10年6月には海外向け鉄道システムでの協業したほか、同7月には水力発電部門でも事業統合を決めるなど基幹事業での連携を深めてきた。
(平成23年8月4日 産経)
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中小型液晶、東芝・ソニー連合に日立も合流へ 世界シェア首位に
日立製作所が、東芝とソニーによる中小型液晶パネル事業の統合交渉に加わることが30日、分かった。3社の統合が実現すれば、世界シェアは2割を超えて首位となる。統合によって各社の設備投資の負担を軽減し、スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末向けに需要が急拡大している中小型液晶の競争力を高め、韓国や台湾勢に対抗したい考えだ。
3社は7月中の合意を目指し、年内にも新会社を発足する方針。新会社には官民ファンドの「産業革新機構」が数千億円規模で出資する案も浮上している。国内に新しい生産ラインを建設予定だが、詳細は今後詰める。
日立は昨年末から台湾の電子機器受託製造サービス(EMS)最大手の鴻海精密工業との資本提携交渉を進めていたが、交渉が難航。統合交渉が進む東芝・ソニー連合に加わることを決めた。
(平成23年6月30日 産経)
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東郷のコメント:
大変喜ばしいニュースである。日本は、原材料を海外から調達して付加価値をつけて世界に売る加工貿易立国である。
それで、外貨を獲得して、戦後発展してきた。
以前は、そもそも強力なライバルがいなかったので世界シェアを日本企業で分けていればよかったが、日本が技術協力などで育てた台湾、韓国、中国が急速に台頭してきた現時点においては、日本企業は日の丸企業で連合を組んで、スケールメリットをいかして原材料を安価に輸入し他国の企業と戦わなければ勝てない。
韓国・中国脅威論が叫ばれ、さらに急激な円高を受けて重い腰をあげて動き出したといえよう。
今後に期待したい。
文筆:東郷秀憲(東郷秀憲の国益コラム)