平成23年7月6日
菅首相側献金 「信じられない」「姿勢に疑念」 拉致被害者家族が怒り
拉致問題対策本部長である菅直人首相の資金管理団体が、日本人拉致事件の容疑者の家族が所属する政治団体から派生した団体に多額の献金をしていた問題で、拉致被害者の家族らには怒りと疑念が広がっている。首相はかつて、拉致実行犯の釈放嘆願書に署名したこともある。「政治家として信じられない」「姿勢に疑念を持たざるを得ない」…。巨額資金提供の意図は何だったのか。家族らに対し、首相側の詳しい説明が求められそうだ。
■「あくまで別団体」
総務省によると、今年4月の東京都三鷹市議選に拉致事件の容疑者の長男を擁立した「市民の党」は平成8年9月に、菅直人首相の資金管理団体「草志会」から献金を受け取っていた「政権交代をめざす市民の会」は18年9月に、それぞれ設立された。
市民の党の酒井剛代表は取材に「ボランティア選挙でも大政党に勝てることを実証する団体」と設立の意図を説明。「めざす会は私の呼びかけで作られ、市民の党と事務担当者も同一。だが銀行口座も別で、あくまで違う団体だ」とする。拉致容疑者の長男の市議選擁立については、「出馬を持ちかけたのは事実で、若い人に頑張ってほしいと思った」と話した。
一方、めざす会の奈良握(にぎる)代表も、同会は市民の党と別団体であることを強調。草志会からの献金については「収支報告書に書いてある通りだ。私は菅首相と会ったこともないし、詳しいことは分からない」とし、コメントを拒んだ。
政治資金収支報告書によると、めざす会は設立以来、毎年1千万〜8千万円の収入があり、草志会のほか各地の市議会議員らからの政治献金が目立つ。主な支出先は「人件費」「看板等作成費」「旅費・宿泊費」など。めざす会について政界関係者は「民主党など、かつての野党勢力の選挙応援などを全国で行っていたようだ」としている。
■「即刻辞めて」
めざす会への献金についてよど号犯グループに拉致された有本恵子さん=拉致当時(23)=の母、嘉代子さん(85)は「日本の政治家がやることとは思えない」と憤る。
首相は平成元年、拉致事件の実行犯である北朝鮮工作員、辛光洙(シングァンス)容疑者(82)の助命釈放嘆願書に署名。その後、昨年の衆院本会議などで「確かめずに署名したことは間違いだった。反省している」と謝罪している。草志会をめぐり首相は、在日韓国人系金融機関の元男性理事から献金を受けていたとして、政治資金規正法違反罪で東京地検に告発されてもいる。嘉代子さんは「政治家がいかにいいかげんか身をもって感じている。拉致被害者家族としてだけでなく、一人の日本人として、菅さんに即刻辞めてくださいと言いたい」と批判する。
同じくよど号犯グループが拉致に関わった松木薫さん=同(26)=の姉、斉藤文代さん(65)は「故田宮高麿元リーダーの長男が市議選に出て、落選したことは知っていた。選挙で当選するかどうかは有権者が決めることで、私がどうこう言うことではないが、献金が事実なら到底考えられない」と落胆する。
拉致問題をめぐっては、20年8月の日朝実務者協議で北朝鮮が拉致被害者の再調査に合意。しかしその後は棚上げ状態が続いており、家族会は今年6月、北朝鮮が9月までに再調査に応じなければ全面制裁するよう求める要請書を政府に提出。首相は北朝鮮側に再調査を求める意向を示していた。
「そうした首相の姿勢すべてに対し、疑念を持たざるを得ない」。家族会事務局長で増元るみ子さん=同(24)=の弟、照明さん(55)はそう話す。増元さんは「拉致問題解決を目指すと語る首相の言葉が本当なのか。きちんと説明してほしい」と訴えた。
(7月2日 産経)
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東郷のコメント:
本件を報じているのは、現時点では産経新聞と関西テレビのニュースアンカー(青山繁晴のコーナー)だけだという。ニュースアンカーの報道によると、現首相の菅は、6,250万円、前首相の鳩山は、1,000万円もの巨額の献金をしている。
拉致容疑者の家族が関係する政治団体に数千万円も寄付するというのは、国賊中の国賊だ。他の国ならそれだけで内閣は吹っ飛ぶ。なぜ、人権にうるさい朝日新聞やNHKは報道しないのか。
菅直人は、確信犯だ。平成元年に辛光洙や拉致共犯者とされるKなど北朝鮮スパイの名が複数含まれる政治犯の釈放要求を韓国政府に行った実績もある。一日でも早く辞めてくれ。
文筆:東郷秀憲(東郷秀憲の国益コラム)