平成23年10月4日
損害賠償、最大40億円=建設中止なら−朝霞宿舎
野田佳彦首相が凍結を指示した埼玉県朝霞市の国家公務員宿舎の建設事業(建設費105億円)を中止した場合、政府が関係業者に支払う損害賠償金が最大40億円規模に上る見通しであることが3日、分かった。政府関係者が明らかにした。朝霞宿舎は9月1日に着工。業者は既に資材調達や人員の雇用を進めており、中止でなく凍結でも一定の賠償責任が発生する見込み。政府は今後、業者側と折衝を進める。
朝霞宿舎の建設凍結は、東日本大震災の復興財源を賄うための臨時増税として新たな国民負担を求める中、公務員を優遇するのかとの批判が高まったためだ。政府は、同宿舎の整備に併せて埼玉県と東京都の12カ所で計画した宿舎廃止の方針を今後も維持する考えで、宿舎廃止・売却により114億〜128億円を捻出できる見通し。
(10月3日 時事ドットコム)
----------------------------------------------
コメント:
40億という数字はいかにも嘘臭い。「中止するとこれだけ無駄なお金がかかるから、建てたほうがいいよね?」という方向に民意を誘導したいがために、業者と談合して出した数字に見える。建設「中止」ではなく「凍結」としている辺りも、ほとぼりが冷めた頃に再開させようという魂胆が見え見えだ。(財務省は、5年後に必要かどうか判断する、としている。つまり5年後にこっそり建築再開させるつもりということだ)
そもそも、国民に増税を強いておきながら、自分たちは豪華宿舎を建設しようという神経をまず疑う。今の時勢に100億円以上の公務員宿舎を建設することに、どれだけ必然性があるのか? 宿舎など無くても公務員の給与なら都内のマンションを問題なく借りられる。仮に「緊急時にも出勤できるために勤務地に近い宿舎が必要」だとしても、民間マンションを借り上げた方が、(仮に家賃を相場より下げたとしても)遥かに安くすむ。
結論:公務員宿舎建設は中止、朝霞以外も売却して復興予算に充てよ。
文筆:沖田東一