平成23年8月31日
海江田・鹿野氏、重要閣僚起用で調整
民主党の野田佳彦代表は30日午後、国会で首相指名を受け、第95代、62人目の首相に選出された。
野田氏は同日夜、党役員人事について、幹事長に輿石東参院議員会長(75)、政調会長に前原誠司前外相(49)、国会対策委員長に平野博文元官房長官(62)、輿石氏を補佐する幹事長代理に樽床伸二衆院国家基本政策委員長(52)を起用することを明らかにした。
閣僚人事では、党代表選に立候補した海江田経済産業相と鹿野農相を重要閣僚として処遇する方向で調整に入った。
細野原発相と平野復興相は再任する方向だ。岡田幹事長は、官房長官や財務相への起用が浮上している。藤村修幹事長代理は入閣の方向で検討している。
輿石氏は、小沢一郎元代表に近く、代表選でも元代表が推した海江田氏を支持した。平野博氏も、海江田氏を支持した鳩山前首相の側近として知られる。野田氏としては、一連の人事で、挙党態勢の構築につなげる狙いがあるとみられる。輿石氏、前原氏、平野氏の党役員就任は31日の両院議員総会で正式決定する。
野田氏は30日、輿石氏と2度にわたり会談し、就任を要請した。輿石氏はいったん回答を保留したが、2度目の会談で受諾した。輿石氏は幹事長就任後も参院議員会長を兼務する。一方、野田氏は、前原氏には政調会長を専任とし、閣僚と兼務させない考えを伝えた。
野田氏は党本部で記者団に輿石氏らの起用の理由について、「党を挙げての態勢を作って、しゃにむに働く政治を実現したい。適材適所だ」と述べた。2009年衆院選政権公約(マニフェスト)の主要政策見直しに関する自公両党との合意に関し、「私は3党合意を守っていく。(輿石氏には)基本的な点は理解してもらっている」と語った。
輿石氏は、国会内で記者団に「党内融和に全力を尽くす」と述べた。
これに先立ち、衆院は30日の本会議で、首相指名選挙を行い、1回目の投票で野田氏を首相に指名した。野党が多数を占める参院では、1回目で投票総数の過半数を得た候補がなく、野田氏と自民党の谷垣総裁による決選投票の結果、野田氏が指名された。
(2011年8月31日03時05分 読売新聞)
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コメント:
野田首相が組閣に入った。親小沢派や対立候補からも閣僚に起用して、挙党一致体制を整えたことは良いと思う。ただ、前原の起用はともかく、輿石の幹事長就任というのは少し気がかりだ。幹事長というポストは政党でのナンバー2の権力で、次の民主党代表候補とも言える地位だ。民主党の代表とは、つまり日本の首相のことである。日教組出身の首相など、考えただけでも恐怖でしかない。小沢派を抱き込むためとは言え、あまりにも世論を無視した行動ではなかろうか。
あと気になるのは財務大臣である。あの仙石が候補にあがっているそうだが、それだけはやめてもらいたい。
文筆:沖田東一