平成23年8月28日
東日本大震災:仮設住宅に緑のカーテン 季節外れなのに…
国の補助金で、岩手、福島県が進めている仮設住宅の暑さ対策に疑問の声が上がっている。「緑のカーテン」は厚生労働省が7月、被災7県に出した通知がきっかけだ。仮設住宅への設置費が災害救助法に基づく国庫補助の対象になり、最大9割が補助される。岩手県は約8000戸、福島県は約5000戸の設置を計画している。
岩手県では1戸あたりの設置費を2万1000円と見積もり、総額1億6800万円の予算措置をした。福島県は、1戸8000〜9000円を見込み、両県とも今月から設置を始めた。しかし、カーテンができるのは、順調に成長しても早くても9月で、そもそもゴーヤの苗植えは春先から初夏が通常だという。ボランティアで仮設住宅に苗を配っているNPO法人「緑のカーテン応援団」(東京都板橋区)は「季節外れで、カーテンができるのか」と疑問視する。
岩手県釜石市の上中島仮設団地(185戸)では8月初旬、県から事業を知らせるチラシが配られた。県が住民に希望を聞いたところ、約9割が「いらない」と答えた。だが、ほぼすべての住宅にプランターが置かれ、窓のない壁面に無造作に置かれているケースも目立つ。住民の藤崎文男さん(78)は「置かなくていいと言ったのに……。これからの季節、ゴーヤは育ちが悪く、枯れるだけ」と話す。また、2万円を超える岩手県の設置費についても、同NPO法人は「苗の値段が100〜150円、プランターもいいもので1000円程度なのに、どうしてそんなに費用がかかるのか」と話す。
(23年8月27日 毎日)
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コメント:
対応が遅いのも問題だが、2万円以上もの費用がかかるのもおかしい。
・プランター+土:4980円
・ゴーヤ苗3本:600円
・液肥セット:1000〜1500円程度
(コーナンのHPより)
全部合わせても8000円もしないはずだ。人件費を考慮しても高すぎる。業者か役人か、どこかで中抜きが行われているとしか思えない。
他にも、原発事故の処理作業員への手当が下請け会社9割以上にピンはねされている例など、今回の大災害で甘い汁を吸おうと、震災復興という利権に群がる者は多い。金儲けは大事だが、人の道を踏み外すような行為は許されない。
文筆:沖田東一