平成23年7月21日
首相祝福コメント 政府・与党内 国民栄誉賞を授与すべきとの声
サッカー女子ワールドカップ(W杯)で日本代表が初優勝したことを受け、菅直人首相は18日、「すべての日本国民に、被災地の方々に最高の贈り物をありがとうございます」と祝福するコメントを発表した。首相は19日に凱(がい)旋(せん)帰国する「なでしこジャパン」をさっそく首相官邸に招き、面会する予定だ。政府・民主党内では国民栄誉賞を授与すべきだとの声が出ている。
民主党幹部は「震災後の日本を勇気づけた意義は大きい。なでしこ全員に国民栄誉賞を与えるべきだ」と強調する。
昭和52年に創設された国民栄誉賞は個人を対象としており、チームや団体を表彰したことはない。団体に対しては、昭和43年に、東京五輪など各五輪大会に出場した男子体操チームに内閣総理大臣顕彰が授与されているが、同幹部は「栄誉賞と顕彰では10倍ぐらい重みが違う」と指摘する。
首相周辺によると、首相自身も本音では国民栄誉賞を出したいとの意向を持っているものの「政治利用、人気回復のための便乗だと批判されるのではないか」との懸念を漏らしているという。このため、民主党内からは早くも「やはり民意の読めない首相だ」との声があがっている。(7月18日 産経新聞)
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コメント:
サッカーW杯制覇というアジア初の快挙を成し遂げたなでしこジャパンの活躍は素晴らしかった。国民栄誉賞の話が出るのも当然だ。女子マラソン金メダルの高橋尚子が受賞しているのだから、彼女らへの国民栄誉賞の授与は(法的にはともかく、功績の上では)何の問題もない。大地震や原発事故で国中に疲弊ムードが漂う時に、国民に多大な喜びと気概を与えた点だけでも、表彰する資格は十分にあると思う。
ただ、今のタイミングでの受賞は、菅内閣の支持率稼ぎに使われそうなのが懸念材料だ(というより菅直人は最初からその気だろう)。できれば、菅直人は国民栄誉賞授与を花道に総理を辞任していただきたい。歴史的瞬間に立ち会えたのだから、もう十分だろう。
文筆:沖田東一