平成23年5月18日
自衛隊派遣手当引き上げ…原発は1日4万2千円
政府は、東日本大震災や東京電力福島第一原子力発電所事故で災害派遣活動に携わる自衛隊員の「災害派遣等手当」と「死体処理手当」をそれぞれ2倍に引き上げる方針を固めた。
原発事故の災害派遣等手当は、活動区域と原発からの距離に応じてさらに上乗せし、原発敷地内での活動では約13倍の1日4万2000円とするほか、自衛隊の本来の任務ではない遺体の搬送や埋葬も支給対象とする。
月内に防衛省職員給与法施行令を改正し、震災が発生した3月11日にさかのぼって適用する。
現行の災害派遣等手当は、通常の捜索救助活動で1日1620円、原発事故で退去命令が出ていたり、被曝(ひばく)の恐れがある区域など特に困難な任務が伴う場合は同3240円。死体処理手当は1日1000円、遺体の損傷が激しい場合は同2000円となっている。
(5月16日 読売新聞)
------------------------------------
コメント:
メルトダウンが明らかになった施設での、文字通り命がけの作業。後遺症の危険なども考えれば、4万2000円では安すぎる。以前のコラムにも書いたが、月ベースで200万程度の手当てと、将来にわたる医療と生活の保障が必要であろう。
そもそも日本の政府もマスコミも自衛隊に対して冷たすぎる。今回の震災救助で最も貢献したのは自衛隊だというのに、マスコミは殆どその功績を報道しない(自衛官が逃げ出した、といった不名誉な記事は嬉々として報道する)。政府はこの4月に自衛隊員給与の一律1割カットを決めた。震災で被害を受けた自衛隊基地の補填のためだが、他の公務員の給与は維持されたまま自衛官だけを狙い撃ち。余りに失礼ではないだろうか。
東電に支援するような金があるのなら、政府は自衛隊にこそ金を使うすべきである。
文筆:沖田東一