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東電の企業努力で国民負担は無くせる  沖田 東一

平成23年5月14日

 現在の政府案では東電の賠償のうち8兆円が国民負担になる仕組みだが、東電側の企業努力や政府の方策で、この負担は削減することができる。
 たとえば・・・

社員賞与をカット:すでにボーナスを削減することは明言されているが、それでも今年の夏には3万6000の社員に40万もの賞与が支給されることになる。本来、賞与は企業利益をだした場合に与えられるもので、今回大きな損失を与えた東電に賞与が支給されるのはおかしい。
→約140億円の削減

役員報酬のカット:現在、代表取締役は役員報酬全額を返上しているが、9名いる常務取締役は6割削減でとどまっている。彼らも東電の責任者であるので、同様に返上してもらうべきであろう。
→約1億円削減

企業年金および退職金のカット:東電退職者への年金は年間で約400万円。退職金と合わせて毎年1兆円の支出となっている。組織が別なので全廃は難しいかもしれないが、JALと同様の5割削減は十分可能だろう。当然OBの反発が予想できるので、東電自身の上記の企業努力(あるいはそれ以上)が前提となるだろう。
→約5000億円の削減

債権のカット:現在の政府案では東電への投資家や債権者は救済される方向になっている。しかし株主を守るために被災者や国民への負担を増加させるのはいかがなものだろうか。JALの時と同様に100%減資すれば、発行株2兆円を削減できる。社債についても同様に行えば5兆円が確保できる。
→約7兆円の削減

 この他にも、送電線の売却などを行えば、国民に負担をかけなくとも東電だけで十分賠償をまかなうことができる。政府も東電も国民負担やむなしとの姿勢をとっているが、騙されてはいけない。

文筆:沖田東一