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東電の役員報酬は、すべて現場の作業員に回せ  沖田 東一

平成23年4月25日

 
東電、役員報酬最大5割削減発表 管理職は年俸の25%、一般社員2割

 東京電力は25日、すべての役員の報酬を40〜50%、管理職の年俸を約25%、一般の社員の年収を約20%、それぞれ削減すると発表した。削減額は年間で計540億円となる。
 役員の報酬削減の内訳は会長、社長、副社長、常務の取締役計20人が報酬の50%、執行役員29人は40%。4月から当面の間削減する。管理職以下は7月から実施する。
(4月25日 産経)
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コメント:
 ちなみに東電役員の報酬は平均3700万円、社長になると8000万円前後らしい。仮に50%削減しても1800万円以上(社長は4000万円)の収入を受け取れる計算になるが、このことに納得する国民が、果たしているだろうか。
 高い地位に就く人間には、それだけの社会的責任がある。自分たちの見通しの甘さで国内に大きな損害を与えた彼ら役員は、報酬カットどころか刑事責任を問われても不思議ではない。
 一方、原発事故の現場で決死隊となって作業に取り組んでいる人達の日給は、およそ1万円〜5万円。後々の後遺症の危険を考えれば余りにも安すぎる金額である。
 日本の危機を救うべく命がけの作業にあたっている彼らには、最低でも月ベースで200万以上の報酬が与えられて然るべきである。また老後の年金支給や終身医療保険などのケアも必要だ。
 そしてそれらの保障は東電の役員報酬や退職金を充てれば良い。役員報酬は全員で合計約7億円、退職金はその約2倍はある。これらを全て作業員の給与にまわせば、相当数の作業員を上記の条件で雇用できる。東電が本当に申し訳ないと思っているのなら、このくらいの判断が責任者から出て欲しかった。

文筆:沖田東一