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賞与ゼロが当然  沖田 東一

平成23年4月22日

 東電 賃金5%賞与半分程度削減へ
東京電力は、福島第一原子力発電所の事故に伴う周辺地域への賠償資金を確保するため、一般社員の月々の賃金を5%、賞与を半分程度、いずれも削減することを労働組合に申し入れたことが分かりました。

東京電力は、福島第一原発の事故で避難や屋内退避を余儀なくされている、合わせて5万世帯に対し、損害賠償の仮払補償金として、およそ500億円を支払う方針ですが、被害は地域の住民生活だけでなく、農業や漁業などにも広がっているため、損害額は最終的に数兆円規模に上るとみられています。

東京電力は、賠償に充てる資金を確保するため、労働組合に給与の削減を申し入れたことが分かりました。関係者によりますと、一般社員3万2000人について、月々の賃金を5%、賞与を半分程度、いずれも削減し、年収ベースでは20%程度の減額になるということです。経営陣や管理職は、さらに踏み込んだ削減を行う方針です。また、ことし4月には1000人余りだった新入社員の採用を、今後5年間にわたって、毎年100人以上減らす方針で、こうした合理化で捻出する資金を賠償に充てていくことにしています。
(4月21日 NHK)
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コメント:
 東電の昨年の平均賞与額は約160万円だから、50%減としても80万円ものボーナスが出ることになる。福島に壊滅的な被害を与え、その補填を公的資金に頼らざるをえないような企業の、何処にそんな余裕があったのが不思議で仕方がない。一時は賞与の増額すら考えていたというのだから、完全に常識感覚が麻痺している。
 仮にそれだけの余裕があったとしても、それらの資金は原発事故で避難を余儀なくされた被災者への支援に回すのが当然だろう。自分たちの会社の不手際で多くの国民が住む処、働く処を失ったということを考えれば、賞与など受け取れないはずだ。国民の立場としては、賞与全額カット、給与も1割以上削減、大幅な人員整理、最低でもこれらはやってもらわないと、公的資金(税金)の投入は認められない。
 ところで、この記事には一般社員のことしか書かれていなかったが、役員の給与はどうなっているのだろうか。まさか責任者が給与削減程度で済むと考えていないと思いたいが。

文筆:沖田東一