平成23年5月11日
空と海を汚染…鳩山前首相、中国副主席に陳謝
【北京=今井隆】民主党の鳩山前首相は5日、中国の習近平国家副主席と北京の釣魚台国賓館で会談した。
鳩山氏は東京電力福島第一原子力発電所の事故について、「空と海が毎日汚染されてしまっていることを申し訳なく思う」と陳謝した。中国の東日本大震災に対する支援には謝意を伝えた。
習氏は「日本人が(震災の中でも)大変秩序正しく頑張っていることに感銘を受けた」と述べる一方で、原発事故に関しては「一刻も早くこの問題を解決していただきたい」と注文をつけた。日本の農産物についても「絶対に大丈夫だという保証を出してほしい。中国政府が大丈夫だと言っても、中国国民がどう受け取るかは別だ」と指摘した。
(2011年5月5日23時41分 読売新聞)
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コメント:
中国は1964-1996年に46回、総出力20メガトン級の核実験を新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)の楼蘭付近で行った。その上居住区域による大規模地表核実験も敢行している。周辺住民への健康被害や環境汚染は相当であるにも関わらず中国政府は実験による災害を隠蔽している。
東北地方太平洋沖地震による原発事故は各地に多くの放射能被害をもたらしており一日でも早く問題を解決出来ることを国民、世界は待ち望んでいる。そのことから考えて、鳩山の隣国への謝罪は問題ない。しかし、中国側も我が国に相当な環境被害をもたらしていることを忘れてはならない。毎年中国からの汚染物質を含んだ黄砂が降り注ぐ日本は、核実験直後から放射能被害を受けていたはずだ。こうした事実も検証した上で、中国の放射能汚染の指摘に対して、逆にあなたの国からも放射能汚染を受けているんだと、鳩山には発言してほしかった。
文筆:前田章博