平成23年12月11日
菅スパコン「京」、来年度予算縮減せず…文科相
次世代スーパーコンピューター「京」の関連経費について、中川文部科学相は10日、2012年度予算の概算要求217億円を縮減しない考えを明らかにした。
衆院決算行政監視委員会が行った国会版「事業仕分け」では、経費を縮減するよう決議されていた。
中川文科相はこの日、神戸市内で京を視察。報道陣から「縮減しない方向か」と質問されると「そうだ」と答え、「いかに利用を広げ、成果を上げていくかが、これからの目標だ」と語った。
(12月10日 読売新聞)
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コメント:
日本の誇る次世代コンピューター「京」は、世界で唯一10ペタフロップス(1秒間に1京回の計算)を達成した世界最速のスーパーコンピュータである(第2位の中国、天河1A号の3倍以上の速度)。2009年の事業仕分けでは「京」の開発予算が事実上凍結と判定され、一時は開発プロジェクト存続も危ぶまれたが、科学者や国民など社会全体で議論となった結果、無事開発継続となった。
トップのスパコン技術を持つことの価値は高い。「京」の活用分野としては、医療・新薬の開発。宇宙の解明。最先端の製品開発などが挙げられている。また、細かな気象予報で台風や地震などの自然災害予知にも大きく貢献できるだろう。「京」は企業への一般公開も行われる予定なので、国内企業には世界一のスパコンをどんどん使ってもらって、製品開発に役立ててほしい。
世界技術ナンバー1を目指す国作りを応援する。
文筆:大連健