平成22年8月12日
去る8月10日、菅直人総理は「韓国併合100年」に伴う謝罪談話を閣議決定後、韓国大統領に電話で直接伝えた。
そもそも日韓併合に関する全ての懸案は、昭和40年締結された日韓基本条約によってすでに「完全かつ最終的」に解決済みだ。いうまでもなく補償問題もこの中に含まれており、あの外務省ですら一貫してこの見解を採っている。
この談話の中には、併合後に半島から渡った文化財の引渡しも含まれており、現在宮内庁が所有している朝鮮王朝の主要行事を絵や文章で記録した古文書の「朝鮮王室儀軌(ぎき)」を引き渡す方針らしい。だがこの古文書は写本らしく、半島に存在した原本は既に失われている。韓国といえば憲法原案、初代の国璽も紛失させた前科がある。韓国には文化を大事にする伝統などない。このような国に文化財を「返済」したところで、いずれまた失われるだけだろう。
そもそも与党の中にも慎重を求める声があったこの問題、強硬に推し進めた張本人が学生時代全共闘の活動家でもあった仙石由人官房長官その人だ。はたしてその真意はどこにあるのか?
この国賊には、「戦後処理は不十分で個人補償がまだ残されている」との発言があり、 専門家の間では、所謂従軍慰安婦に国が謝罪と金銭支給を行う「戦時性的強制被害者問題の解決促進法案」にあるのではないかとの見方がある。民主党は平成20年まで9年間法案を国会提出し続けており、仙谷氏はその中心的人物だった。菅首相を全面に押し立てることで自身への批判をかわしつつ、新たなる補償を作り上げるのが目的だろう。
寝た子を起こすこの謝罪談話、いずれ他国にも飛び火するのは明らかだ。仮にも一国の総理が、両国の正統政府同士で結ばれた条約に反する談話を発表するなど、はたしてこの国は法治国家といえるのか。この談話が後世、村山談話・河野談話以上に日本に悪影響を及ぼすのは間違いない。
文筆:柳井謙一