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北方領土問題を動かすには国力をつけるしかない  東郷 秀憲

平成22年11月2日

前原外相「関係発展の真意疑う」=日ロ首脳会談、見送りも−北方領土訪問

 前原誠司外相は1日、メドベージェフ・ロシア大統領の国後島訪問を受け、外務省にベールイ駐日ロシア大使を呼んで抗議した際、「事前に懸念を伝えたにもかかわらず訪問したことは、日本との関係発展を重視すると表明してきたロシア政府の真意を疑わせるものだ」と述べ、同国の対応を強く批判した。
 外相は「(北方領土は固有の領土であるとの)日本の原則的立場と相いれず、わが国国民の感情を傷つけるもので、極めて遺憾だ」と強調。「訪問の事実や訪問時の大統領の言動を踏まえ、適切な対応を取っていかざるを得ない」として、何らかの対抗措置に踏み切る可能性も示唆した。
 これに関し、松本剛明外務副大臣は同日午後の記者会見で、13日から横浜市で開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際に菅直人首相と同大統領の会談を行うかどうかについて「それも含めて、今後どのような適切な対応を取っていくか考えていきたい」と述べ、会談見送りも排除しなかった。
 首相は1日夜、記者団に「まだ、APECでどの首脳と会うか決まっているわけではない」とし、「今後、どう対応するか検討していきたい」と語った。 
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東郷のコメント

中国に舐められたままの状態にしておくからロシアにまで舐められる。まずは尖閣諸島漁船衝突事件ビデオの一般公開。しかも編集版ではなく全てを公開するべきだ。
ロシアに対しては、大使召還など毅然とした態度を示すべきだ。いずれにしても、日本は外交カードがないとみて、メドベージェフは強気に出た。中国が強気に出るのも国力が増大しているからに他ならない。
地道な話だが、我々は再び国力増強に努めるしか方策はないように思える。今こそ、スローガンが必要だと思う。虚心坦懐、富国強兵などかつては国民を一つにする分かりやすいスローガンがあった。

文筆:東郷秀憲(東郷秀憲の国益コラム