戻る

たちあがれ日本  東郷 秀憲

平成22年7月4日

 たちあがれ日本とは何か。足高慶宣なる人物はよく知らない。だが、同党から立候補している足高氏が日本固有の領土である尖閣諸島の上陸を試みたというだけで除名とは、驚いた。最も保守色が強く、尖閣諸島への想いも強い政党が、日本固有の領土である尖閣に上陸する議員を制止し除名するともなれば、既に日本の自主独立が危ういといえるからだ。仮に同党が政権与党の一員に加わっても外交問題化を恐れて、靖国神社に公式参拝しないということを意味している。安倍さんが総理になった時と同じだ。あの時、どれだけ失望したことか。これでは、日本の自主独立を目指している愛国者は一体どの党に期待したらいいのか。
 同党の応援団長をやってる石原慎太郎は、かつて尖閣諸島に上陸したし、その思いを幾度となく語っている。論文も書いている。それを、読んで尖閣諸島に上陸したのが、堺の西村議員だ。その石原が足高慶宣の除名に反対したとは聞いていない。小沢一郎批判をずっとやってきたのに、東京都議会の多数が民主党となり、法案を否決されまくったら、突然、小沢を評価する発言を繰り返し行った。おかしいなと思っていたら、その後、小沢の指示か都議会の民主会派は法案への反対から賛成に転じて石原を救った。失望である。
 たちあがれ日本に投票する層は、一部の保守層しかいない。それなのに、その保守層を裏切る行動に出れば、誰も相手にしないだろう。仮に、除名理由に尖閣上陸以外に理由があるとしたら、除名理由を明確にするべきである。でないと、たちあがれ日本は、終わる。
_____________

たちあがれ日本は3日、参院選比例代表から立候補していた社会福祉法人理事長、足高(あしたか)慶宣(よしのぶ)氏(56)を除名し、比例名簿から削除すると発表した。

 足高氏が3日夕、尖閣諸島(沖縄県石垣市)に上陸を試みようとしたことについて「党の方針に反する」と判断した。園田博之党紀委員長は産経新聞に対し、除名理由について「売名行為であり、外交上の問題になる」と説明した。
 足高氏の事務所は「党の方針に反するとは考えていない」と話している。

 たちあがれ日本は参院選公約で「北方領土や竹島、尖閣諸島、沖ノ鳥島などをめぐる『領土外交』を強化し、領土を侵犯する動きに対しては毅然とした対応を取る」としている。

文筆:東郷秀憲(東郷秀憲の国益コラム