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アジア港湾のハブ化を目指せ!  東郷 秀憲

平成22年1月4日

 年末年始に録画していたテレビ番組を見ている中でフジテレビの報道2001に出演していた前原国土交通大臣の発言が気になった。
 空港のハブ化問題については、多くの国民が認知しているところだが、前原さんは港湾の問題についても同様であると述べておられた。日本の港湾は何と65もあり、ところが建設後は世界基準になるとされる拡張されたパナマ運河を通れるサイズのコンテナ船が利用できるスペックの港湾は一つも無いとのこと。現状を放置すると日本の港湾は、韓国の釜山港や中国の上海港で小型船に積みかえてからしか利用されないことになるという。因みに、世界港湾コンテナ取扱ランキングをみると、1980年は神戸が4位(2005年は、30位にも入っていない)横浜12位(同27位)、東京18位(同22位)。
トップ10は、シンガポール、中国、韓国、台湾など近隣諸国の港に独占されている。
 茨城空港が日本で98番目の空港として3月11日に開港されるが、就航される国内航空会社及び国内便はゼロからのスタートになるそうだ。定期便は、ソウルの仁川空港だけ。茨城空港は、結局のところ東アジアにおける仁川空港ハブ化に協力するために巨額の税金を投入したと言わざるをえない。ハブ化競争で競っている成田空港・関西空港の足を引っ張っています。韓国の利益の為に作った空港といえる。
 私は、橋下大阪府知事が主張するように伊丹空港を廃止して関西空港のハブ化を強力に推し進めるべきであると思う。また、地方空港から外国へ直接飛ばす定期便の認可を与えるべきではないとも思う。近隣アジア諸国からの観光客の増加で我が国にメリットのある新千歳(北海道)、那覇(沖縄)以外は、関西、成田、羽田、中部以外の空港は国内空港として特化すればいい。
 それでも競争力がないなら清算するしか仕方ない。生かす方がより維持コストがかかる。ただし、台北の空港が国際競争力のない現時点では台湾の空港については戦略的に国内の空港として取り扱うべきで、台湾と日本の地方を結ぶ路線は維持するべきである。
 空港、港湾いずれにしてもハブ化を目指して、これまでの無駄を整理してもらいたい。前原大臣に期待している。。 

文筆:東郷秀憲(東郷秀憲の国益コラム