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柳田発言はそこまで問題か  沖田 東一

平成22年11月22日

柳田法相:辞任の意向伝える 国会軽視発言で

 柳田稔法相(56)=参院広島選挙区=は22日午前、首相官邸で菅直人首相と約20分間会談し、国会軽視と受け取れる発言をした責任を取って辞任する意向を伝えた。
 野党は柳田氏の辞任か罷免を求め、自民党は柳田氏の辞任がなければ同日午後に問責決議案を参院に提出することを予告していた。政府・民主党は10年度補正予算案の成立を遅らせないためには辞任を受け入れざるを得ないと判断。柳田氏は同日午前の参院予算委員会に出席し、辞任を表明する見通しだ。
(11月22日 毎日新聞)
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コメント:
 別に柳田の肩をもつつもりはない。法相の発言として軽率であったことは事実であり、法律の知識に乏しい柳田に法相が向かないことも事実だが、今回の発言が辞任しなければならないほどの問題だったとは思えない。かつての森元首相在任時の「神の国」発言と同じく、話の都合の良い一部分だけを抜き取っただけのように思える。
 私にはむしろ、仙谷の「暴力組織」という発言のほうが、よほど問題だと感じる。命をかけて国を守ろうとする自衛隊員に対して、余りにも無礼な発言ではないか。柳田が辞任というなら仙谷こそさっさと辞めるべきだろう。それが官房長官と法相を兼任などと、まったく国民を馬鹿にした話である。
 さらに問題なのが、今もっとも大事な外交問題である尖閣問題が、この失言問題にすり替えられていることだ。民主党(仙石)は、尖閣問題を上手く失言問題にすり替えて、柳田の首切りで丸く収めるつもりなのは明らかだが、国民はもう騙されない。野党も与党の思惑に乗せられることなく、尖閣問題への責任を与党に徹底的に追及してもらいたい。

文筆:沖田東一