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中国に舐められるな  沖田 東一

平成22年11月12日

首相 “胡主席とあいさつ”

 菅総理大臣は12日、ソウルで記者団に対し、横浜でのAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に合わせた日中首脳会談について「決まっていない」としながらも、G20サミットの会場で胡錦涛国家主席とあいさつを交わしたと述べました。
 政府は、横浜でのAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に合わせて中国の胡錦涛国家主席との日中首脳会談を実現するため、中国側に日程を打診しています。菅総理大臣は、韓国で開かれていたG20サミットの終了後、記者団に対し、日中首脳会談が行われるかどうかについて「まだ決まっていない」と述べました。その一方で菅総理大臣は「胡錦涛主席とはG20サミットの会議が終わるときにわたしが振り向いたら、ちょうど後ろを通っていたので『やあやあ』とひと言、ふた言あいさつを交わした。胡錦涛主席が『横浜に行きます』というので、わたしのほうからは『横浜でお会いしたいですね』とそのくらいで終わった」と述べました。
(11月12日 NHK)
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コメント:
 この記事はテレビで見ていたが、「中国に挨拶できた!」と嬉しそうにマスコミに話す菅総理を見て、これが日本の首相かと実に情けない思いだった。かつて聖徳太子が「日没する処の天子」として隋と対等の立場たらんと行動したが、それと比べて雲泥の開きがある。菅総理は国会の場で「APECで中国に『尖閣は日本固有の領土だ』と明言する」と発言していたが、実行できるのか甚だ怪しそうである。
 そのAPECにも、日本政府は中国が何とか出席してくれるよう、色々とお願い交渉を行っていたらしい。馬鹿馬鹿しい。そんな事をせず、中国など無視して放置するのが正解だった。ノーベル平和賞への抗議や尖閣問題で、中国は他の国から厳しい目で見られており、ここでAPECを欠席すれば、いよいよ中国は国際的に追い込まれてしまう。だから必ず、何もしなくても中国は譲歩してきたはずである。仮に中国が折れなかったとしても、その場合は諸外国の中国忌避の風潮が強まるだけなので、日本には何のデメリットもなく、むしろ相対的に日本の重要度が高まっただろう。
 中国は弱者には強く、強者には弱い国である。このような国を相手にする場合、一歩も退かない姿勢で臨まなければ舐められるだけだ。橋下府知事は上海万博の招待を断られた時に間髪入れず糾弾し、中国の譲歩を引き出した。彼のような態度を取れる人物こそ、今の国政の場には必要である。菅はいらない。

文筆:沖田東一