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景観に配慮できない観光センターなど不要  沖田 東一

平成22年9月11日

 先月のNHKニュースの話だが、東京都台東区にある浅草文化観光センターが建て直されるそうだ。
 新しい観光センターは8階建ての建造物になるが、雷門のすぐ傍に高層建築物が建つことで、景観が悪くなると地元で反対が起こっているらしい。こういう話を聞くと、相変わらずのお役所仕事だと呆れてしまう。
 そもそも観光センターに、それほど大きな施設が必要だろうか。
 観光旅行好きの人間として書かせていただくが、観光センターに土産物売り場や地元の写真パネル・展示物は全く必要ない。周辺の観光地図と催し物のパンフ、WIFI環境、そして窓口相談の人が2,3人いれば十分である。観光センターは元々2階建ての建物だったそうだが、平屋でも十分機能する。予算消費か天下りのためか知らないが、巨大な観光センターを作っても、景観を損ね、浅草のブランドイメージを下げるだけだろう。
 これからの日本にとって、観光客の誘致は非常に重要な分野である。そして浅草には雷門や浅草寺など、海外の観光客が求める見事な景観がある。本来ならそうした景観を守るために、行政が規制条例など考えなければならないというのに、行政自ら景観を台無しにしてどうするのか。観光センター自体を名所にしようと考えているなら、考え違いもいいところである。
 景観に配慮できない観光センターなど何の意味もない。建設計画は白紙に戻すべきだろう。

文筆:沖田東一