平成22年8月13日
国会議員の議員報酬に関して、見直しすべきとの意見が活発になっている。
私も国会議員の報酬制度は見直すべきだと思う。議員報酬の日割り計算の導入は当然として、報酬額そのものも削減する必要があるだろう。
日本の国会議員の報酬は年間で2400万円。これに文書交通費が月100万円、立法調査費が月65万円、JRや航空会社の乗車券等を加味すると年収はおよそ4400万になる。国会議員は約700人いるので、合計で300億もの税金が費やされていることになる。
他の国では、例えばアメリカは年額1700万円で、交通費や秘書給与などの必要経費は、領収書をもとに手当が支給される仕組みになっている。
日本もこれでよいのではないか。私設秘書の年収は平均で200万円、交通費は週二回の新幹線や月1回飛行機を利用したとしても年額300万〜400万くらいだろう。交際費は月50万円とし、私設秘書を雇った場合でも、報酬1700万+手当て1100万=2800万程度に収まる。これだけでも84億円の削減になる。
国会議員の人数も減らせるはずだ。実際の政策の実行は官僚が動くので、国会を運営する議員は今の半数でも対応できる。少数意見が反映されないという欠点はあるが、財政の建て直しが急務である今、議会がスムーズに動くメリットも方が大きい。社民党のような大多数の国民が支持しない政党が与党と連立するようなこともなくなる。仮に半数にしたとすると、議員報酬にかかる費用は合計で98億円で済む。
財政危機の中、与党や自民党は安易に増税論を唱えているが、国内の企業、特に中小企業の経営は非常に厳しく、一般サラリーマンの平均年収も30代で300万程度しかない。ここで増税を受けて財政を逼迫されて我慢できる国民はいない。しかもその税金が多額の議員報酬になっているとしたら尚更である。
まずは隗よりはじめよ、である。
前回のコラムに書いた夕張市の場合、増税をするにあたって、市長は給与の7.5割を、市会議員が4〜6割をカットし、更に議員の人数を半分にした。ここまでやって、はじめて国民は納得する。
国会議員には、まず自らの報酬額の見直しからやってもらいたい。増税に関する議論は、その先の話である。
(注)隗よりはじめよ……中国の故事。隗とは人名。意味は「当事者から実行しなさい」「手近なものから行いなさい」
文筆:沖田東一