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待機死刑囚をなくせ  沖田 東一

平成22年8月5日

 今、国内にいる死刑囚の数をご存知だろうか。
 死刑囚が収容される拘置所は全国に7箇所あり、8月4日現在で合計107名の死刑囚が収監されている。この死刑囚の数は年々増え続けている。なぜなら、死刑判決を受ける者は毎年10〜20名にのぼるが、死刑が執行される件数は毎年数件であり、15名が執行された2008年を除いては、常に新規受刑者の数が死刑執行件数を上回っていた。このため国内の死刑囚人数は増加し、中には何十年も死刑執行を待ち、執行前に一生を終える受刑者もいる(今年だけで2名の死刑囚が病死している)。刑事訴訟法では死刑執行は判決確定後6ヶ月以内と定められているが、法的拘束力がないために形骸化している。 先週千葉大臣が2名の死刑囚の刑を執行したことが話題になったが、この2名も判決から執行まで3年が経過している。
 ちなみに、囚人一人を収容するのに、年間233万円のお金がかかる(埼玉県議会議事録より)。内訳は食事や医療費、人件費、拘置所の維持費など。この多くは税金で賄われている。なかなか刑が執行されないために、本来罰を下されるはずの凶悪犯が、国民の税金で悠々生活している事実。馬鹿馬鹿しい話である。
 私は、死刑の判決を受けた者は、翌日にでも執行すべきだと思う。死刑囚は凶悪な罪を犯し、社会に復帰を認められなかった者達である。そんな者を税金で養う必要はない。もし刑事訴訟法通りに判決確定半年以内に刑を執行すれば、国内にいる死刑囚は1名だけとなり、拘置所はワンフロアで足りる。人命をコストで考えるのは不謹慎かもしれないが、税金の無駄遣いを無くすうえでも、死刑囚は速やかに執行されるべきであろう。
 この点、中国の死刑執行のスピードを見習うべきかもしれない。

文筆:沖田東一