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敗北の責任をとれ  沖田 東一

平成22年7月17日

 参院選で民主党は目標議席を大きく割り込む大敗を喫したが、いまだこの責任を取る者が現れていない。菅首相は続投を明言し、枝野幹事長も執行部議員も敗戦理由を消費税論争に押し付けて、自分は悪くない、とだんまりを決めこんでいる。落選した千葉法相すら留任し「私の主張が否定されたわけではない」と居直っている始末だ。
 たしかに今回の敗北に消費税の発言は関わっていたであろう。しかし、それは消費税増税に対してではなく、思いつきで消費税増税発言をし、その後もころころ意見を変える菅首相の不誠実さに国民が呆れたからである。そして普天間基地問題における鳩山前首相の対応の不誠実さ、マニフェストの未履行、外国人参政権など、政権をとってからの10ヶ月間の行動によって、民主党に政治能力はないと国民に判断されたことが、今回の敗北となった。菅首相は「この参院選で国民に信を問う」と発言していたが、まさに国民から明確な「NO」を突きつけられたのだ。小沢や鳩山のせいだ、いや菅直人のせいだという責任のなすりつけ合いはみっともないだけで、民主党そのものに不信任が出されているのだ。
 ここから出直すためには、まず民主党のトップである菅首相が責任をとるのは当然であろう。かつて自分たちが自民党政権に注文していたことだ。そして執行部の面々や鳩山前首相、小沢も責任をとらねばならない。民意に反して通そうとした外国人参政権からは手を引く。組織も意識も刷新して、出直すことを国民の前で宣言するのだ。
 誰も責任を取らずに調子のいいことを言っても、もはや国民は信用していない。民意を理解して、新民主党として出直していただきたい。

文筆:沖田東一