平成22年7月9日
事業仕分けで官僚の天下りの実態がかなり明らかになったが、官僚は未だに懲りずに新たな天下りを発掘しようとしている。
下の記事によると、電子書籍の著作権管理団体をつくろうという動きだが、JASRACやB-CASなどを見る限り、これもただの中間マージン搾取機関となる可能性が高いだろう。電子書籍は利用者が安価で入手できることが売りの一つだが、中間マージンを取られることで、そのメリットが失われる危険がある。著作権侵害を防ぐ効果もあるが、それよりも自由化が阻害されるデメリットの方が大きい。”著作権の保護”という名目で市場に規制をかけている間に、ipadがシェアを根こそぎ奪っていくという未来図が頭に浮かんでしまう。
結局、国が何もかも一元管理しようとする(※)から問題なのだ。著作権管理団体への加入は基本自由選択とし、未加入者の著作権管理は各企業/個人に任せる、とすべきだろう。
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経産など3省、電子書籍の著作権を管理 簡素化へ仕組み検討
経済産業、総務、文部科学の3省は電子書籍の普及に向け、出版物の著作者の権利を集中管理する仕組みをつくる検討に入った。電子書籍に絡む利用許可の手続きを簡素化する狙い。電子書籍を配信したい出版社は作家1人ひとりに許可を得る手間が省け、低コストでサービスを展開出来るようになる。
3省共同の「デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会」が22日にまとめる最終報告に盛り込む。
出版物の著作権を持つ作家や、作家から委託された出版社が電子化に関する著作権を集中管理団体などに一任する仕組みを検討する。団体は配信可能な作品をあらかじめ作家や出版社から集めた上で、
著作権の使用料率を決めておく。電子書籍を配信したい企業は使用料を払う事で電子化の許諾を得られる。電子化に伴う利益は団体が著作権者に分配する。
近く文化庁の主導で集中管理に関する検討会議を設置し、対象書籍や具体的な仕組み、運営主体などを話し合う。
(6月22日 日経新聞電子版)
※今回の記事だけでは、国が集中管理するかどうかは不明ですが、集中管理のほうが国は楽に収益を上げられますし、JASRACなどの例を考えれば、集中管理の方向に進むことは間違いないと思います。
文筆:沖田東一