平成22年4月6日
セイヨウミツバチ激減による供給不足の打開案として、ニホンミツバチが見直され始めている。
これまで果実の受粉には、飼育しやすいセイヨウミツバチが使われていたが、原産地でミツバチが大量死したため、セイヨウミツバチの輸入は数年前から止まっている(大量死の原因は伝染病と言われているが、まだ完全にはわかっていない)。このため農家は、受粉に必要なミツバチを確保できず、作物の出来に大きな影響を与えている。
こうした事態を打開する策として、受粉に日本在来種のニホンミツバチを使おうという動きが起こっている。少し古いが、下の記事を見て欲しい。
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ニホンミツバチを飼育せよ セイヨウミツバチ大量失踪に対応
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/econpolicy/288299/
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ニホンミツバチはセイヨウミツバチに比べ巣の管理が簡単で、病気に強く、今回のミツバチ大量死の原因と言われる伝染病にも抵抗力がある。また天敵のスズメバチにも対抗手段をもち、人間を襲うこともない、耐熱性耐寒性ともに優秀である。これらの長所は、長期飼育の上で大きなメリットとなるだろう。
国内では、長崎県の壱岐島などでニホンミツバチで産業化を目指す動きが出始めているが、国内にとどめず、ニホンミツバチを海外に進出させることを考えてもよいのではないだろうか。丈夫で大人しい性質は海外の養蜂家には好まれるだろう。また、セイヨウミツバチが生存できないような寒冷地でも活動できるということも、新たな需要を引き起こせるかもしれない。
唯一の欠点は蜜の収集量の少なさなので、この部分を何とか品種改良を進めてもらいたい。ここが解決できれば、ニホンミツバチを世界に流通させることは夢ではないのだから。
参考:
ミツバチの飼育
http://www.geocities.jp/sizenyasai07/bee/japanesebee.htm
減り続ける米国のミツバチ
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2714830/5553452
日本ミツバチに学んだこと 藤原誠太
http://www.7midori.org/katsudo/kouhou/kaze/miserarete/09/
文筆:沖田東一