平成22年3月12日
残念なニュースだ。夜行性のテンは垂直の壁も登れるほど身軽な生き物なので、夜目がきかないトキは逃げようが無かっただろう。死んだトキの多くが繁殖に欠かせないメスだったのは、今後の自然繁殖計画に大きな影響を与えてしまった。原因調査の結果、ゲージに60箇所の隙間が空いていたことが分かったが、今後はこのようなことが起こらないよう、徹底的に対策してもらいたい。
今後このような事態とならぬよう、以下の対策を提唱する。
@穴掘り対策:イタチなどは穴を掘って地中から侵入することもあるので、そうならないよう、金網の周囲を金属板などで覆って穴を掘れなくする
Aゲージ内の木々への対策:テンなどが登れないよう、板などで返しを設置する。
B金網への対策:B同様、返しを設置する。電気を流すのもアリだが、コストを考えると厳しいかも。
(3/15追記:このブログで提唱する24時間ライブカメラ設置案はなかなか効果的と思います)
<トキ9羽死ぬ>テンが襲撃、足跡から判明 環境省
新潟県佐渡市の佐渡トキ保護センターのトキ9羽が死んだ事故で、環境省は11日、施設内に残された足跡から、襲った小動物はイタチ科のテンと判明したと発表した。
トキは今秋の3回目の放鳥に向けた訓練で順化ケージに入れられていた。専門家が雪の上に複数残されていた足跡を鑑定し、テンと判明した。テンはまだ順化ケージ内にいるとみられる。
佐渡島に生息するテンは体長40〜50センチ。木の実や鳥などを食べる雑食性。03年の新潟大調査で2000匹生息すると推定された。
また、監視カメラに記録された音声から、9日午後8時過ぎから10日午前6時前までの計10回、トキが大声で鳴いていたことが分かった。環境省はこの時間帯に襲われた可能性が高いとみている。
(3月11日 毎日新聞)
文筆:沖田東一