平成22年3月6日
平成23年より介護福祉士の資格取得方法が変わるらしい。
http://www.sssc.or.jp/shiken/kaigo/k02.html(社会福祉振興・試験センターより)
介護福祉士とは、社会福祉関連の国家資格の一つで、福祉施設で身障者の介護に従事するための資格なのだが、その資格の取り方が再来年度より変更されることになった。
簡単に言えば、これまで『養成施設+登録』か『現場経験3年+試験』だったものが、現場経験者にも研修が必須科目とされた。
レベルの高い介護福祉士を養成するためという理由だが、問題は、研修期間が600時間、約半年間にも及ぶことである。これでは仕事を持つ人は研修に行くことはできない。激務の介護職で半年もの休暇をとることは非現実的であるし、半年間無収入になることもかなりの負担だ。しかも研修には数十万の費用がかかるのだ。
このため、実際に福祉の現場で働いている人間は資格を取ることがほぼ不可能、という矛盾が生じている。これほど愚かしい制度はないだろう。
国内で介護職に就く人は慢性的に不足しており、インドネシアや韓国など海外からの受け入れも検討している状態だ。この人不足を打開するために、介護福祉士の待遇や給与の改善が、今の第一優先であるはずだ。
にもかかわらず、国は待遇問題は放置して、受験制度を理不尽に困難にしている。これでは、今後、介護福祉士を目指すような国民はいなくなるだろう。
信頼できる福祉士の育成は必要だが、制度を厳格にするあまり、必要な介護士がいなくなっては話にならない。国にはこの制度の再考を求めたい。
文筆:沖田東一