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救急医療体制の改正を  大連 健

平成22年7月4日

 「救急医療の大きな問題点として、救急患者がすみやかに医療機関に収容されないという点が指摘されている。実際に119番通報から医療機関に収容されるまでの所要時間は、90年代後半から増加傾向を強め、96年の24.4分から06年は32.0分と大幅に伸びている」(DBJ緊急医療の現状と課題引用)http://www.dbj.jp/pdf/findicate/no130.pdf

 先月、上記の問題点を実体験した。
 深夜に誤って熱湯をかぶってしまい、救急車を呼ぶ事態になった。救急車はすぐ来てくれたが、火傷の専門医がいる病院がなかなか見つからず、救急車の中でそのまま15分ほど待たされることに。ようやく数km以上離れた病院で受け入れてもらって処置を受けたときは、救急車を呼んでからすでに1時間が経過していた。
 私は堺市に住んでいる。政令指定都市にもかかわらずこのように時間がかかってしまった。これが病院の少ない地方都市だったらもっと大変だろう。
 このようなことが起こる問題は、駆けつけた救急隊員が搬送先を探すという体制にある。それを解消するためには、病院と消防署のネットワークを構築し、管轄消防署が病院の勤務体系を常時把握できる体制を整える必要がある。当然予算がかかるだろうが、これによって救われる命があるのだから、十分国益にかなうだろう。少なくとも救急隊員にすべての負担をかけるような今の制度は、至急改めるべきである。

文筆:大連健