平成21年2月21日
麻生総理がロシア共和国が不当に占拠している南樺太(サハリン)にわざわざ出向いて、国益を損ねた事は既に周知の事実である。ご存知の通り、南樺太はソ連が日ソ中立条約を一方的に破棄し、我が国を侵略し占領した地域である。わが国は昭和27年にサンフランシスコ講和条約で南樺太の主権を放棄したが、その帰属は未定のままである。少なくとも法的にはロシア(当時はソ連)の領土ではない。そんな所にロシアの招きで日本の総理がのこのこ行けば、ロシアに主権があると認めたことになる。南樺太については、「確かに日本は主権を放棄したがロシアのものではないから先住民族アイヌの独立国家にすればいい」と宣言したらいい。現在アイヌの人達は、ほぼ日本人と同化したので、実際は日本人がそこに住むことになる。
次に、呆れることに所謂北方4島の返還を4島でなくてもよい、妥協してもよいとロシア側に取られるメッセージを発した。
交渉の結果、最終決断の際にまずは面積2分の一返還という妥結はあるかもしれないが、当初から妥協してるようでは話にならない。小泉氏も面積2分の一という案には前向きのようだ。実は、私の提案は、まずは面積2分の一、そして残りの2分の一は期限付きで返還(少なくとも主権は放棄しない)。面積2分の一というのは色丹島、歯舞諸島、国後島は完全返還され、択捉島の3分の一が返還される。肝心な事は、択捉島の一部が取れることである。ここまで取れれば、日本の経済力と地政学を考慮すると残りの領土についても実質日本領土と変わらなくなるだろう。日本政府が特区に指定して、どんどん資本を投入する。ここに住むロシア人は日本語ができないと仕事もできなくなるだろう。モスクワは遠いからだ。残りの2分の一は、いずれ日本が国力(特に、軍事力、経済力)を増して取ればいい。正論を言えば、全千島と南樺太は日本領土と言えなくもない。だが、それを言うならまずは少なくとも中国以上の軍事大国にならなければロシアに圧力をかけられない。軍事力で奪われた領土は軍事力でしか奪い返せない。問題は今の日本国民にそれだけのコストを払う覚悟が無い事だ。
文筆:東郷秀憲(東郷秀憲の国益コラム)