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中川昭一財務省辞任 東郷 秀憲一

平成21年2月18日

 中川財務大臣が辞任した。あの映像が世界に流れたのだから、残念だがやむをえない。残念だがと書いたが、彼の過去の実績から現在の内閣において最も国益を考慮して行動している政治家だと思って応援していたからだ。特に、我が国の固有領土である尖閣諸島を含む東シナ海における権益を守ろうとした行動はもっと評価されるべきだと考えている。また、歴史教科書の中国・韓国による内政干渉問題でも積極的に発言してきた。
 それにしても、朝日新聞の報道はひどかった。体調不良であったと釈明しているにも関わらず酔っ払いと一面で書き失脚させるための世論形成を先導した。朝日新聞にすれば安倍、中川、麻生という反朝日の保守政治家が失脚または失脚寸前となり、中国や韓国と祝杯をあげているのではなかろうか。
 中川大臣辞任後の後任人事には呆れた。与謝野経済財政大臣が兼務するという。そもそも、中川さんは、財務大臣と金融担当大臣を兼務していた。与謝野さんは、それに加えて経済財政担当大臣をやるのだから、過労死するだろう。その昔、東條さんが総理大臣と陸軍大臣を兼務した事を思い出す。
 というよりも人材はいないのかと訝る。理解はできる。現在の経済情勢や選挙が近いことを考慮したら、大臣候補者もスキャンダルチェックをやっている暇はない。だが、そういう事態を考慮し候補者をもっと前から選んでおくべきである。副大臣を昇格するという手もあるだろう。日本の弱さが露呈した形となった。
 中川さんは、下野したが今後とも頑張っていただきたい。

文筆:東郷秀憲(東郷秀憲の国益コラム