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西村眞悟、阮美姝氏講演会 東郷 秀憲

平成21年3月1日

  昨夜、日本李登輝友の会主催の講演会が初めて大阪で開催されるとあって参加した。日本李登輝友の会は、平成14年に東京のホテルオークラで設立大会を行った。その折に、発起人に名を連ねた縁ある団体である。挨拶できず残念であったが柚原正敬さんなど懐かしいお顔も登壇された。
 西村さんの講演は過去に何度も拝聴している。相変わらず憂国の炎は燃えたぎっておられた。本日の西村さんの発言で印象に残ったのが、核の傘に触れたくだりだった。
 ド・ゴール将軍は、ケネディに対してアメリカがフランスをソ連から守るなどありえないと考えた。即ち、核時代の現在、米ソにとって全面戦争は自殺行為であり、アメリカはその死活的な利害を脅かされない限り、ヨーロッパに関してソ連と裏取引きする可能性が大である。アメリカによる西欧防衛は口先だけで全くアテにならない。つまり「軍事同盟は時代おくれになった。一国はいかなる外国をも完全には信頼出来ない」「核兵器を持たない国は持つ国の意のままになるほかない」「フランスの水爆保有は、侵略の脅威に対抗する唯一の道であり、またそれがフランスの独立を保証するものである」という訳である。それゆえ、アメリカの反対圧力に屈せずに核武装した。もちろん核兵器の数量は米ソには遠く及ばないが、「量の大小に絶対価値はない。個人にしろ国民しろ一度しか死にはしないし、自ら核抑止力を持ち侵略者に致命傷を与える決意があれば相身互いである」。
 さて、我が国の場合はどうか。かつて、中国の核はアメリカのメインランドに到達しえなかった。即ち、仮に中国が沖縄県(尖閣諸島)を侵略し、日米安保を理由に中国を攻撃したとしてもアメリカに火の粉は飛んでこなかった。しかし、現在中国の核ミサイルは容易にアメリカまで到達する。とすればアメリカは自国のリスクを考慮すれば、日本を守る為にリスクを冒すわけはないのである。まして、日米同盟の弱点である片務性を考慮すると尚更である。いざ有事となり、「アメリカさん中国をやっつけて下さい」とお願いしたとしよう。すると米国から、「我々のために戦おうとしない日本のために何故我々は日本のために戦わなければならないのか」と言われれば何も言い返せない。
 すなわち、有事になるハズはないという前提で、日頃は、日本を守ってやってるから金を出せと言い金をむしり取っているのだ。在日米軍駐留経費、基地移転経費、湾岸戦争経費、アフガニスタン戦争経費、イラク戦争経費、米国製兵器購入、米国債購入・・・
 アメリカとは「何か因縁つけられたら言ってきな」と言い、売上から所場代を取って楽して儲けているヤクザと同じ。
 我々は、日本のド・ゴール将軍を待望する時期に来ている。その候補の一人が西村さんであることは間違いない。
 読者各位には、次期衆議院選挙では改革クラブへの投票を呼び掛けたい。

文筆:東郷秀憲(東郷秀憲の国益コラム