平成17 年1月3日
マスコミやサヨク団体、韓国中国の方々がこぞって攻撃したため、おそらく日本で最も知名度の高い教科書ではないだろうか。
私は発売日翌日にこの本を購入したが、中学校の歴史教科書というからもっと簡単なもの想像していたが、内容は予想外に重厚であった。しかし、歴史を単なる『事実の羅列』ではなく、一連の流れのあるものとして「当時の人がなぜそうしたのか」をストーリ性をもたせて書かれているため、内容の重厚さに反し、非常に読みやすいものとなっていた。(他の出版社の教科書が、年号や事実を暗記するための単語帳のようになっていることと比べ、雲泥の差である)
このような構成なら、飽きっぽい子供でも好奇心をそそられ、勉強に励むことが出来る。
ところで戦前の児童用教科書を読んだことがあるが、それもまた歴史を一連の流れとし、読み物のように書かれていた。そういう意味では、この「新しい歴史教科書」は、正しい「昔の歴史教科書」だとも言えるかもしれない。
さて、肝心の内容であるが、結論としてはいたって『普通』である。
マスコミが攻撃してきたような戦争賛美の印象など、どこを読んでも受けなかった。戦争の悲惨さについても触れており、むしろ近代史などは韓国や中国に過剰に配慮したような箇所も見られて、やや不甲斐なく感じたほどである。
また、過度に西洋文化との比較が多かったことも気にかかった。
「バロック美術にも匹敵する」「ミケランジェロに匹敵する」「西洋に勝るとも劣らない」
などの表現があったが、一般的には「匹敵=少し劣っている」であり、こうした表現は、生徒達に日本人は西洋人には及ばない、という思想を植えつけることにならないだろうかと思う。
しかし、そうした不満点を含めてもなお、この教科書が優れているという意見に変わりは無い。
なぜなら、この教科書は日本という国に誇りを持てるように作られた、唯一の教科書だからだ。
国に誇りをもてない人間は、己のアイデンティティを自己の価値にしか求めるしかなく、最終的に「自分さえ良ければ他はどうでもいい」という考えの人間となりかねない。そのような(自国に誇りを持たせないような)教育を施しているのが、他の歴史教科書である。
しかし、この教科書で学んだ生徒ならば、決してそのような事にはならず、日本と日本人に対し、誇りを持った人間へと育ってくれることだろう。
蛇足であるが、この教科書が市販される際「教科書の市販は採択に影響を与えるからやめよ」という批判があった。マスコミがあれだけ騒いで影響を与えまくった後で何をかいわんや、である。
文筆:沖田東一