《政府の公式見解》

「飛躍的な経済成長の結果、我が国の国民生活は、物質的にはほぼ満足し得る水準に達したものと考えられますが、これからは、これまでにも増して心の潤いやゆとりといった心の豊かさを涵養することが求められています。我が国は緑豊かな自然を持った国であることにかんがみ、この自然に親しむとともに、その恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむことを願い、「みどりの日」として国民の祝日とするものであります。

また、この日を四月二十九日にするのは、この時期が新緑の季節として緑豊かな自然に親しむ上で最もふさわしい時期であり、同日が六十有余年にわたり天皇誕生日であり、ゴールデンウィークのいわば始まりの日として国民の間に定着しているからであります。」
                            (平成元年2月10日 第114回衆議院内閣委員会)

                              

<コメント>
 一体どういう意図を持って政府はこの見解を出したのであろうか。
 昭和天皇を偲ぶ日であるにも拘らず、そのような文面が一行たりとも出てこない。
 そもそも昭和天皇の誕生日を祝日にする際の名称として「みどりの日」は作られたはずであるのに、この見解ではまるで最初に「みどりの日」制定があって、たまたま昭和天皇の誕生日と重なったような印象を受ける。
 政府がこのような認識だと、国民は数年後にはただの「連休の初日」という認識しか持たなくなってしまうであろう。